初めて法人カードに申し込むとき、作り方が分からずどのように手続きをすればいいのか不明です。作成方法が分からないため、その手順を理解する必要があるのです。
ただ一般的に、ビジネスカードを作るのは難易度が高いです。個人クレジットカードよりも入会審査が厳しいため、ビジネス初心者の個人事業主・フリーランスや会社経営者ではカードを作れないことが多いです。
しかし、ビジネスを行う以上は法人カードを作れなければ事業が回りません。そのためには、難易度が低く審査に通りやすいビジネスカードを選び、申し込みをしなければいけません。
そこで、どのような手順で法人カードを作ればいいのかを解説し、さらにはスムーズにカード発行できる法人カードを紹介していきます。
もくじ
法人カードの作成方法の流れ
まず、どのようにしてビジネスカードを作ればいいのでしょうか。一般的な作り方としては、以下のようになります。
- 法人カードを選ぶ
- ネット上から申し込みをする
- 申込書に記入して郵送
- 法人カードが届く
どのビジネスカードであっても、基本的にはこの流れになります。個人クレジットカードとまったく同じ流れになりますが、法人カードでは入会審査の難易度が高かったり、必要書類が多かったりします。
そこで、まずは大まかな流れについて確認していきます。
ビジネスカードを選ぶ
初めてビジネスカードを作るとき、最初に適切な法人カードを選ばなければいけません。このとき、ビジネス初心者なのであれば年会費の安いビジネスカードを考える人が多いです。
ただ、年会費が安いビジネスカードを選ぶことで、人によっては損をすることがあります。いまでは、私はゴールド法人カードやプラチナ法人カードを使いこなしていますが、これは年会費の安い法人カードでは実現できないことが多いからです。
法人カードとはいってもカード会社ごとに特徴は大きく異なります。そこで、年会費以外に以下の点にも着目するといいです。
・ポイント還元率
クレジットカードを使って決済すると、ポイントが付きます。このときのポイントは一般的な法人カードであると、還元率0.5%です。つまり、1,000円の買い物をして5円分のポイントが付与されます。このときのポイントはあなたの好きなように活用できる非課税の現金と同じです。
当然ですが、ポイント還元率の高い法人カードの方が有利です。このとき、法人カードによっては還元率1%など高還元率を実現できるカードもあります。
・利用限度額
私が最初にビジネスカードを作ったとき、利用限度額は30万円が割り当てられました。限度額とは、「約2ヵ月で利用できるカード利用枠」だと考えてください。
設立当初であっても、意外と出費があってすぐに限度額いっぱいになりそうになってしまいました。そこで3ヵ月後には限度額を100万円まで上げてもらったわけですが、どれだけカード決済できるのかが重要になります。限度額が低いとカード決済額が限られ、使い物にならなくなります。
・入会審査の難易度
そして最も重要なのが入会審査の難易度です。申請したとしても、審査に落ちて作れないようでは意味がありません。そこで、入りやすい法人カードを選ぶ必要があります。
難易度が低く審査に通りやすいビジネスカードの特徴を把握したうえで、初心者歓迎の法人カードへ申請しましょう。
ネット上からクレジットカードの申し込みをする
申し込むべきビジネスカードを選んだら、次はネット上から申し込みを行います。個人事業主・フリーランスであっても、会社経営者であっても、ネット上から申請するのが一般的です。
公式サイトに飛ぶと、以下のように申し込みできるボタンがあります。ここから、先に進んでいけば問題ありません。
所要時間は10分ほどで完了します。このとき、オプションで「リボ払いをできるようにするか」「ETCカードはどうするか」「カード暗証番号は何にするか(4ケタの数字)」などを聞かれます。
申込書に記入して郵送
ネット上からの申請が完了したら、申込書類が郵送されるようになります。個人事業主なら事務所(開業届に記載した住所)、法人なら会社住所(登記簿謄本にある住所)に郵送されるのが一般的です。
例えば、以下は私が過去にJCB法人カード(具体的にはANA JCB法人カード ワイド)へ申し込みをしたときの申請書類です。
こうしたものが郵送されるため、申込書に必要事項を記入して送り返すことになります。また、同時に本人確認書類(運転免許証のコピーなど)や登記簿謄本などの必要書類も添付しなければいけません。
申込書に記入し、必要書類を添付した後は郵送します。
法人カードが届く
書類を郵送した後、一般的には審査に2~3週間などわりと長い時間がかかります。個人クレジットカードとは異なり、ビジネスカードでは入会審査の難易度が高くなるからです。
ネット上から申請して法人カードが手元に届くまでには、一般的には一ヵ月ほどの時間が必要になると考えてください。
そうして、無事審査に通ると以下のようにビジネスカードが手元に届くようになります。
今回はANA JCB法人カード ワイドに申し込みをしたため、ゴールド法人カードを無事発行することができました。申請して発行までにかかった時間は一ヵ月ほどです。
事前に必要書類を理解する
ただ、法人カードに申し込みをするためには、カード会社から送られてくる申込書以外に「準備しなければいけない書類」があります。早めに準備をしておくことで、素早くビジネスカードが手元に届くようになります。
どのようなものが必要になるかというと、書類については以下のようになります。
・本人確認書類
全員が必要になるものとして、本人確認書類があります。本人確認書類には、運転免許証やパスポート、マイナンバーカード、健康保険証などがあります。
・登記簿謄本(履歴事項全部証明書):法人のみ
個人事業主(自営業)・フリーランスは関係ありませんが、法人代表者の場合は登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を添付するようになります。事前に役所に出向き、登記簿謄本を取得するようにしましょう。
その後、登記簿謄本の原本またはコピーを提出することになります。以下のようなものです。
取得から6ヵ月以内の登記簿謄本を提出するようにしましょう。
・補完資料
場合によっては、補完資料を提出しなければいけないことがあります。例えば健康保険証の場合、顔写真がないので「本人の住所を確認できる補完資料」の提出が求められます。運転免許証やパスポートなどでは必要ないものの、健康保険証だけでは本人確認書類として不十分なのです。
また、「ネット上からの申請で記載した住所」と「本人確認書類の住所(運転免許証に記載された住所)」が違う場合も同様に補完資料が求められます。
非常に面倒なため、補完資料の提出を不要にするためにも顔写真ありの本人確認書類を活用しましょう。また、「ネット上からの申請で記載する住所」には、本人確認書類(運転免許証など)に記載された住所と同じものを書くようにしましょう。
なお、補完資料としては以下のようなものがあります。
- 国税や地方税の領収書・納税証明書
- 社会保険料の領収書
- 公共料金(電気代、水道代、ガス代、固定電話代など)の領収書
補完資料は発行から6ヵ月以内である必要があります。
事前に用意すべき銀行口座と法人印
法人カードの申請書には、必ず決済口座を記載しなければいけません。会社なら法人口座ですし、個人事業主(自営業)なら事業用口座になります。そこで、事前に銀行へ出向いて銀行口座を開いておくようにしましょう。
特に難しいことはありません。私は個人事業主時代、銀行へ出向いて「事業用口座を新たに作りたい」と申し出ました。すると、約10分待っただけで新たな銀行口座を開設できました。
法人口座についても会社を設立して銀行へ出向き、「法人口座を作りたい」と申し出ました。このときも、10分ほどで銀行口座を問題なく開設できました。もちろん、法人口座の開設では登記簿謄本を用意しておく必要があります。
また、同時に法人印も必要になります。ネットショップなどで非常に安く作れるため、法人印を早めに作っておくといいです。個人事業主については自分の名前の印鑑で問題ないですが、法人では専用の印鑑が必要になります。
審査に通りやすいビジネスカードの特徴
ここまでを理解したうえで、審査に通りやすい法人カードを選んで申請するようにしましょう。ビジネスカードの手っ取り早い作成方法は、難易度の低い入りやすいカードを選ぶことなのです。
それでは、どのようなビジネスカードだと入会審査の難易度が高くなく、作りやすいのでしょうか。もっともわかりやすいビジネスカードとしては、「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を提出不要」にしているクレジットカードがあります。
一般的には、法人では登記簿謄本の提出が必要です。登記簿謄本を見れば資本金や設立年数などが分かるようになります。
ただ、登記簿謄本を提出すれば、「この会社は創業直後の法人だ」などの情報が簡単にわかるようになります。設立一年未満の不安定な状態だと、どうしても審査が厳しくなって作れないことあがります。
ただ、登記簿謄本の提出が不要な場合、会社の状況がまったくわかりません。審査対象は社長個人の信用情報だけです。個人クレジットカードをもっている個人事業主や会社経営者であれば、「登記簿謄本を提出不要」にしているビジネスカードに申し込むことで、100%の確率で審査に通過するようになります。
入会審査の難易度が低く、作りやすい法人カード
このように、登記簿謄本の提出を不要にしている法人カードであると非常に作りやすくなっています。
会社の状況を含め、あなたのビジネスの状態は審査の対象にならないのです。また、必要書類に登記簿謄本がないビジネスカード場合、決算書(または確定申告書)の提出も求められません。純粋にあなたの個人信用(過去にカード支払いなどの事故を起こしたことがあるか)だけで判断されるようになるのです。
このような法人カードへ申請書(郵送分)と共に申し込みをすれば、ビジネスカードを作れないことはなくなります。以下では、入会審査の難易度が低く通りやすい法人カードを紹介していきます。
法人カード作成の手続きとしては、最初に「どのビジネスカードに申し込むのか」を決定する必要があります。まずは適したビジネスカードを選び、ネット申請するようにしましょう。その後、必要書類を集めるようにするといいです。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
クレジットカードの大手である三井住友カードが発行する法人カードとして、三井住友カード ビジネスオーナーズがあります。年会費が永年無料のビジネスカードです。
三井住友カード ビジネスオーナーズでは、登記簿謄本の提出が不要です。本人確認書類だけを出せばいいため、非常に審査が早く作りやすい法人カードです。
VisaやMastercard®の国際ブランドで作れるので海外出張のときに決済で心配する必要はありません。カード利用枠は~500万円(所定の審査あり)であり、高いカード利用枠を実現できます。
還元率は0.5%と普通ですが、タクシーチケットの手配ができたり、新幹線予約の割引・予約変更無料が可能になったり、特典の多い法人カードです。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
プラチナカードの中でも、唯一入会審査の難易度が非常に低く入りやすい法人カードがセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードです。
登記簿謄本の提出が不要なので、会社の財務状況は審査対象ではありません。また、プラチナカードにも関わらず年会費22,000円と非常に低いため、個人クレジットカードをもったことのある人なら審査に通るようになっています。
また、ポイント還元率1.125%とかなりの高還元率です。そのためポイント還元率のことまで考慮すると、高額なカード決済がある場合、年会費の安いカードよりセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードが圧倒的に得です。
もちろん空港ラウンジの利用やプライオリティ・パス、海外旅行傷害保険などプラチナ法人カードならではの優れたサービスも備わっています。月の利用額を考え、電気代や交際接待費、出張費などで月17万円以上の出費がある人はセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードを活用しましょう。