個人事業主や会社組織としてビジネスをしていると出張の機会は必ずあります。私は出張の少ない会社を経営していますが、それでも月1回はどこかに出張しています。
このとき海外出張はあるものの、当然ながら最も多いのは国内出張です。そうしたとき、新幹線を利用することが多いです。飛行機で国内移動することはありますが、それ以上に新幹線利用がたくさんあります。
そうしたとき、JRの新幹線利用でネット予約できたり、割引が適応されたりする法人カードをもっておくと便利です。
もくじ
法人向けクレジットカードによる新幹線の予約システム
特定のクレジットカードをもつことにより、東海道・山陽新幹線をお得に利用できる方法があります。それがエクスプレス予約です。
ビジネスで出張するとき、最も多いのは「東京」「名古屋」「大阪」「福岡」あたりだと思います。東京を出張先として起点に関東へ足を延ばす人も多く、いずれにしても長距離移動では新幹線が重宝されます。そして、東京から福岡をつなぐ新幹線として、東海道・山陽新幹線があります。
東海道・山陽新幹線のエクスプレス予約をするためには、EX-ICやプラスEXなどのカードをもつ必要があります。
クレジットカードを発行した後、クレジットカードに追加して発行するものがEX-ICやプラスEXです。
例えば法人ETCカードを作るとき、多くは「法人カード + 法人ETCカード」になると思います。これと同じように、クレジットカードにプラスして新幹線用のカードを作るのです。
個人クレジットカードであると、JR東海・エクスプレス・カードやJR西日本・J-WESTカードなどを作り、その後にEX-ICを作ることができます。また、JCBや三井住友カードなどとも提携しており、このときはプラスEXのカードを作成できます。
いずれにしても、クレジットカードを活用してEX-ICまたはプラスEXのカードを発行すれば、新幹線をお得に利用できるサービスを活用できるようになります。
チケットレス(待ち時間なし)で新幹線をネット予約できる
それでは、JR新幹線で利用できるEX-ICやプラスEXをもっていると、どのような良いことがあるのでしょうか。それは、第一にチケットレス(待ち時間なし)で新幹線を予約できることです。
現在、私が東海道・山陽新幹線を利用するときに「みどりの窓口などに並ぶ」ことはありません。無駄に長い待ち時間を過ごすことになりますし、込み具合によっては既に満席であり、時間の遅いチケットしか空いていないことがあります。
そうなると、駅構内でビジネスとは関係ない時間を過ごすことになります。こうしたことを避けるため、事前にネット上で新幹線の予約ができるのは優れています。
もちろん、事前予約するときにチケットを取り寄せることも可能です。ただ、チケットをずっと管理しておく必要があり、手続きも面倒です。それなら、チケットなしの状態で新幹線を利用できた方がいいです。EX-ICやプラスEXを保有していれば、ネット予約によってチケットなしでの乗車ができるようになります。
実際に予約するとき、以下のような画面で予約することができます。JR東海道やJR西日本などが運営している「EX予約」の画面でログインすれば問題ありません。パソコンだけでなく、携帯電話などインターネットにつながっていれば全員がこの画面を見れるようになります。
予約方法は簡単です。「予約」の部分をクリックして、「乗車したい日」「乗車駅」「降車駅」「乗りたい時間(到着したい時間)」を指定し、検索するだけです。
あとは、乗車したい新幹線を選んで予約を進めるだけです。
予約できる区間としては、「東京駅~博多駅」までの区間です。例えば、JR九州のエリアで止まる駅は小倉駅と博多駅のみになり、それ以降の駅は予約対象外であることに注意が必要です。
実際に乗車するとき、予約完了した後にEX-ICまたはプラスEXのカードを改札口にピッとかざすだけで問題ありません。SUICAやPASMOと同じ感覚で利用することができます。
新幹線の改札口には、以下のように「IC」と書かれた部分があります。そこにカードをかざすのです。
すると、改札口から「予約した新幹線の詳細」が書かれた小さな紙が出てきます。これを受け取った後、予約した指定席に行くだけです。
このようにして、新幹線に乗車できるようになります。
自由席と同じ値段で指定席を予約できる
また、エクスプレス予約を活用したほうが良い他の理由として、自由席と同じ値段で指定席を予約できることがあげられます。
みどりの窓口で指定席を購入するとなると、自由席に料金を追加して乗車するようになってしまいます。要は、追加料金が必要になります。
ただ、EX-IXやプラスEXのカードがある状態でネット予約すると、追加料金なしで指定席を予約することができるのです。
例えば、以下はエクスプレス予約を利用して、「東京-大阪」で乗車料金を出したものになります。これを見ると、指定席(EX予約指定席)は13,370円となっており、自由席(EX予約自由席)も同様に13,370円です。
さすがにグリーン席は値段が高く設定されているものの、このように指定席をお得な値段で乗車できるようになります。
ただ、東京-大阪でのグリーン席の正規料金は19,230円です。一方、JRのエクスプレス予約ではグリーン車で18,140円と表示されており、グリーン席についても値段が安くなっていることがわかります。
指定席を追加料金なしで乗車できることから、いまの私はJR新幹線で自由席に乗ることがなくなりました。
もちろん、JR九州の中でも東海道・山陽新幹線(東京-博多)の対象外の駅まで出張したり、東北に出向いたりするときは指定席の追加料金が必要になります。ただ、ビジネスでは「東京」「名古屋」「大阪」「福岡」などの主要都市に出向くことがほとんどなので、追加料金なしで新幹線の指定席を利用できるのは非常に優れています。
何度でも予約変更可能
さらに、予約変更がネット上で何度でも可能な点も非常に優れています。
ビジネスで出張するとなると、途中で予定が崩れることはよくあります。打ち合わせが長引いたり、その反対に思いのほか予定が早く終わって時間を持て余したりするのです。
しかも、一回だけでなく予定が何度も変更になることがあります。
切符を取り寄せての予約であると、予約変更にはみどりの窓口に出向くなど面倒な作業が必要です。さらに、予約変更は一回しかできません。
一方でネット予約であると、手数料なしに何度でも予約変更することができます。もちろん、その都度ごとに指定席を取ることができます。ネット予約によって新幹線予約をするのが優れている理由として、予約変更できるという点も大きいです。
EX早特により、乗車料金が割引になる
長い距離の移動に限定されますが、乗車3日前までにネット上から予約することで「EX早特」という割引が適応されます。
EX早特が設定されている区間としては、以下のものがあります。
- 東京・品川・新横浜~西明石・姫路・岡山・福山・広島・博多など
- 京都・新大阪・新神戸~小倉・博多
残念ながら、東京-大阪は割引の適応外です。ただ、東京から乗車したとき、新神戸よりも先に行く場合は割引適応になります。
実際の予約画面で確認すると、以下のように「EX早割」という項目が表れます。これを選択すれば、片道で割引適応された値段で予約することができます。
このとき、どれだけ値段が安くなるのかというと、片道1,500円以上の値引きになると考えてください。当然、乗車距離が長くなるほど割引額は大きくなります。
EX早割を活用すれば、普通に切符を購入して自由席に乗るよりも値段が安くなります。しかも、予約変更をいつでもできるという柔軟性も持ち合わせています。グリーン車も割引適応になるため、出張の予定が決まっている場合は早めに予約しておくといいです。
なお、こうした割引はお盆や年末年始などの繁忙期であっても存在します。繁忙期でも問題なく値段が安くなるのは非常に優れています。
・早割で直前に予約変更すると早割がなくなる
注意点として、あくまでも早割は「3日前までに予約をした場合」に限るということです。3日前までの乗車であれば、その前の予約変更ならいつでも割引適応になります。
ただ、乗車日から2日以内の状態で予約変更すると、3日前までの予約ではないためEX早割の適応外になります。
EX早割を利用している場合、直前に予約変更すると割引がなくなり、乗車料金が高くなってしまうことに注意が必要です。
駅に出向いて直前に予約するのも可能
こうした優れたシステムを利用すれば、さまざまなことに応用できます。例えば私の場合、新幹線の予約をせずに駅へ出向くことがよくあります。
お盆や年末年始ではさすがに予約でいっぱいになるため、事前に予約しておきます。また、出張や旅行の日程が決まっていて、EX早割を利用できるときは早めに予約します。ただ、急に出張が決まったときなどは予約せずに駅の改札まで行くのです。
その後、駅で新幹線に乗る直前(改札口の前)でエクスプレス予約にログインし、新幹線の予約をすることにしています。
準備で家や会社を出るのが戸惑ったり、電車の思わぬ遅延があったりするとき、実際に駅に到着しないと乗れる新幹線の時刻を正確に把握できません。そこで、駅に到着してからネット予約をするのです。その場で指定席を追加料金なしで予約できるため、この方法でいままで困ったことはありません。
東京で予約しても品川で降りられる
なお、EX-ICやプラスEXを使ってネット予約するとき、疑問点として「東京で降りる予約したものの、品川で降りることはできるのか」というものがあります。同じように、品川で降りる予約して東京駅で降りられるのか不安に思う人は多いです。
これについては問題なく、品川駅で降りる予約したとしても東京駅で降りることができます。その逆も問題ありません。乗車運賃は同じであるため、東京・品川であれば問題なく降車できるのです。
ビジネスでの日程が変わり、降車駅が東京と品川でずれることはよくあります。私も日程変更によって「品川で予約したものの、実際に降りる駅は東京駅」ということは何度もありました。ただ、それでも大丈夫です。
法人カードでエクスプレス予約できるカードは少ない
それでは、ビジネスカードを利用してエクスプレス予約をするにはどうすればいいのでしょうか。
前述の通り、個人クレジットカードであれば、JR東海・エクスプレス・カードやJR西日本・J-WESTカードなどを作れば問題なくEX-ICを入手できます。
また、JCBや三井住友VASAカード、アメリカン・エキスプレス、セディナカードなど、さまざまな個人用クレジットカードでプラスEXを発行し、エクスプレス予約を利用できます。
ただ、法人カードとなるとEX-ICやプラスEXを利用できるクレジットカードが非常に少なくなります。そのため、個人事業主や会社組織がビジネス目的でJR新幹線を利用し、ネット予約した費用をビジネス口座から引き落としをするには、適切な法人カードを選ばなければいけません。
プラスEXを発行できるビジネスカードを利用する
法人カードの中でも、EX-ICを発行できるクレジットカードとしてJR東海エクスプレス・カード(ビジネス)があります。この法人カードであれば、法人カード一枚につきEX-ICを一枚発行できます。
ただ、JR東海エクスプレス・カード(ビジネス)はあまり知られていないクレジットカードですし、当然ながら年会費が必要です。無駄に法人カードを増やし、さらには年会費を支払うべきではありません。
そこで、「多くの個人事業主・フリーランスや会社組織が利用しているメジャーな法人カード」の中から、エクスプレス予約できるビジネスカードを利用するといいです。
そうすれば新幹線予約だけでなく、メイン(または予備)の法人カードとしても利用できます。単なる新幹線予約だけの法人カードではなく、他にもさまざまな機能をもった便利な法人カードを経営者は選択しなければいけません。
どのビジネスカードが新幹線予約に適切なのか
EX-ICを発行できる法人カードは利便性が低いです。ただ、同じようにエクスプレス予約が可能なプラスEXであれば、利便性の高いビジネスカードが存在します。
それでは、どのような法人カードが存在するのかというと、法人カードでは以下のような法人カードを選ぶ必要があります。
プラスEXを発行できる法人カード
こうした法人カードには三井住友カード ビジネスオーナーズがあります。三井住友カード ビジネスオーナーズは個人事業主(自営業)や法人で申請できるビジネスカードです。
三井住友カード ビジネスオーナーズでは一般カード(クラシックカード)とゴールドカードの中から選ぶことができます。
iPhoneやアンドロイド携帯をEX-ICの端末として利用する
なお、iPhoneやアンドロイドユーザーでプラスEXを発行する場合、Apple PayのSUICAやモバイルSUICA(携帯電話をSUICAとして利用する機能)を活用すれば、携帯電話をEX-ICの端末として利用することができます。これにより、財布の中などにカードを一枚無駄に増やす手間を省くことができます。
つまり、三井住友カード ビジネスオーナーズに付属するプラスEXのカードをもたなくてすみます。プラスEXのカードを忘れたとしても、携帯電話さえあれば問題なく乗車できるようになるのです。
Apple PayのSUICAやモバイルSUICAを立ち上げると、「エクスプレス予約(JR東海)」という項目があります。プラスEXが手元に到着した後、ここから新規登録することでプラスEXが結びつくようになります。
例えば、以下はモバイルSUICAの画面です。
法人カードとプラスEXは紐づいているため、Apple PayのSUICAやモバイルSUICAからエクスプレス予約をすると利用分は法人カードに請求が来るようになります。
プラスEXを発行する場合、iPhoneやアンドロイド携帯を保有している人はApple PayのSUICAやモバイルSUICAも同時に併用するようにしましょう。
Apple PayのSUICAやモバイルSUICAを使えば、EX-IC(プラスEX)を忘れた場合でも携帯電話をかざせば問題なく乗車できます。
新幹線の個人利用で節税する
なお、個人事業主や法人は新幹線利用のときに法人カードを使うことで経費処理を簡素化し、ネット予約によって予約変更や割引適応の特典を受けるだけなく、うまいように節税も行います。
新幹線を利用するとき、個人利用(個人的な旅行など)をすることはよくあります。そうしたとき、個人利用ではあっても「得意先との接待」「ビジネス視察」などの名目にして、経費処理する経営者がほとんどです。
また、家族旅行で普通なら経費として落とせない場合であったとしても、「自分の新幹線代はネット予約する」「家族の新幹線代は窓口でチケットを購入する」ようにします。この場合、家族の新幹線代は自費になるものの、自分の新幹線代を「得意先との打ち合わせ」ということにすれば、自分の新幹線代については節税できます。
ビジネスカードを活用すれば、さまざまな節税を実現することができます。これは新幹線だけでなく、在来線(JRの電車や地下鉄などの利用)でも同様であるため、うまく法人カードを利用して無駄な税金支払いを防ぐ必要があります。
新幹線予約に有利な法人カードを選択する
こうしたことを理解したうえで、新幹線を利用するときに「ネット上から自由に予約することができ、さらには予約変更無制限であったり割引特典が付いていたりする、エクスプレス予約を活用できる法人カード」を選ばなければいけません。
先ほど少し触れましたが、こうした法人カードには以下のようなカードがあります。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友カード ビジネスオーナーズの場合、プラスEXを発行することができます。これにより、どのような人であってもエクスプレス予約を利用できるようになります。
また、三井住友カード ビジネスオーナーズを活用すれば、Apple PayのSUICAでもモバイルSUICAでも利用できるようになります。
年会費は永年無料であり、追加カードも永年無料です。役員や社員に法人カードを追加発行したいときであっても費用は発生しません。追加カードは19枚まで発行できます。
個人事業主や法人で申請できるビジネスカードであり、VisaかMastercard®から選ぶことができます。ビジネス初心者向けの法人カードであり、申し込む場合はカード利用枠や保険付帯を比べながらクラシック(一般カード)かゴールドカードかを選択するようにしてください。