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クレジットカードを作ろうとするときは、還元率の高さに着目してしまいます。「クレジットカード利用に付帯するポイント額のカード利用額に対する割合」が還元率であり、例えば還元率1%であると、利用額100円ごとに1円分のポイントがつきます。

これは法人カードでも同様であり、ほとんどの法人カードでポイントがつきます。このとき、還元率が高い法人カードの方が得をしているような気がします。

それでは、どのビジネスカードの還元率が優れているのでしょうか。還元率というのは、比べるときにいくつもの注意点があります。これらをよく理解したうえで、高還元率の法人カードを選ぶようにしてください。

個人事業主・会社のクレジットカードの還元率は低い

まず、基礎知識としてビジネスカードの還元率は低い傾向にあります。この理由は単純であり、個人に比べて貸し倒れリスクが高いからです。

個人であれば、債務整理(自己破産など)をしない限り確実に支払ってくれます。一方で企業であれば、存続する方が難しいです。10年で9割以上の企業が潰れるほどであり、この事実を考えたときにクレジットカード会社にとって企業の方がリスクは高いです。

そのために法人カードは審査が厳しくなりますし、一般的には還元率が0.5%と低めに設定されています。

ただ、いくら還元率が低いとはいっても、法人カードでは支払額が個人のクレジットカードに比べて高額になりやすいです。毎月の広告費やサービス料の支払いを含めると、非常に小さい会社であっても月100~200万円の支払いになるのは普通です。

月の支払いが100万円で還元率0.5%であると、毎月5,000ポイントが付くことになります。個人のクレジットカードで還元率が高く設定されていたとしても、どうしても使用額は少なくなります。そのため、どの法人カードを使ってポイントをためるのかは非常に重要です。

ビジネスカードの還元率は低い数値で比べる

ビジネスカードの還元率を比べるとき、「還元率0.5%」に比べて高いか低いかで考えるのが基本です。0.5%よりも高還元率であれば、それだけ優れているカードだといえます。

還元率を比較検討しているサイトや雑誌はたくさんあります。ただ、それらのうち多くは「最大還元率」で比較していることが多いです。

例えば、JCB法人カードであれば「還元率3%」のという文字が存在します。ただ、その中身をよく観察してみると月100万円以上の利用が必要であり、そのうち「50万円に対して3%のキャッシュバックをつける(50万円 × 3% = 1万5,000円)」などのような内訳になっています。

こうした条件であると、実質の還元率は3%よりも大幅に低いことが分かります。また、他にも制限があるので還元率3%に届かせるのは非常に難しいです。

このような実情があるため、法人カードでは「最低ラインの還元率」で比較する必要があります。つまり、例えば「還元率0.5~3%」の法人カードが存在するのであれば、「0.5~3%」の最小値である還元率0.5%のビジネスカードとして他の商品と比べなければいけません。

還元率を比べるとき、どうしても高い数値(高還元率かどうか)に目がいきがちです。ただ、実際のところ条件があるので単純に低い数値で比べた方が無難です。

高還元率以外に年会費を考慮する

還元率の高い法人カードであると、それだけ年会費が高くなる傾向にあります。法人カードの使用額が少ないのであれば、年会費が安い法人カードを使用した方がいいこともあります。

そのため、どれだけ法人カードを月に利用するのかを考えるようにしましょう。

・月30万円以上をカード支払いしている

例えば月30万円以上はビジネスカードを使う場合、高還元率の法人カードであるならば、年会費2万円と高額であってもまったく問題ありません。

例えば、月30万円だと年間360万円です。後でも紹介しますが、年会費2万円のクレジットカードであると、還元率1%を超える法人カードが存在します。仮に還元率1%であると、「360万円×1%=3万6,000円」です。

3万6,000円から2万円(年会費)を差し引くと、差額は1万6,000円です。

これが、年会費2,000円など年会費の安いクレジットカードを使っている場合、還元率0.5%であると「360万円×0.5%=1万8,000円」です。1万8,000円から2,000円を引くと、同じように1万6,000円分のポイントがたまります。

支払い額が大きくなるほど、当然ながらポイント還元率の良いカードの方が有利です。そのため、月30万円以上のクレジットカード支払いがある場合、多少は年会費が高くてもポイント還元率の高いカードを使用するといいです。

月30万円未満(月10~20万円)をカード支払いしている

一方で月10万円ほどしか決済しない場合、年会費2,000円など維持費の安い法人カードの方がお金の面だけを考えると得です。

ただし、年会費の高いカードであると「空港ラウンジを活用できる」「保険が付帯している」などサービスが優れています。例えば空港利用のとき、以下のような高級ラウンジに入れるのです。

したがって、会社を設立して間もないころであれば、年会費が安く審査のゆるい法人カードへ申し込めばいいです。ただ、ある程度会社を経営して儲かってくるようになれば、還元率だけで比較するのではなく他のサービスまで考慮したうえで法人カードへ申し込むといいです。

実際、私も会社を作って2期目までは年会費の安いビジネスカードを使っていましたが、3期目の初め頃からは年会費の高い法人カードへ切り替えました。このときは「還元率の高さ」「保険サービスの充実度合い」「限度額(クレジットカードで支払える上限額)」を総合的に考慮したうえで判断しました。

これらを考慮したうえで、申し込む法人カードを決めるといいです。

法人カードでたまったポイントの使用先

会社の社長であるなら、付与されるポイントが法人なのか個人なのかによってその意味が大きく違ってきます。

基本的に法人カードを活用したことで得られたポイントというのは、会社のものになります。会社のお金を活用して得たポイントなので、会社の保有物であるのは当然のことです。そのため厳密にいえば、法人カードで得られたポイントは雑収入になります。

ただ、ビジネスカードのポイントを雑収入として計上しているような真面目な会社はほぼ存在しません。税務調査でクレジットカードのポイント利用を指摘されることもほとんどありません。

また、クレジットカード会社から送られてくる明細をチェックし、そこからポイントを利用するごとに雑収入の額を調節するとなると、非常に面倒な会計作業が発生することになります。

こうした無駄な会計処理を進んで行おうとする会社は普通であれば存在しないため、基本的には法人カードでたまったポイントは社長個人が好きに利用しているのが実情です。

私の会社は中小零細で非常に小さいですが、法人カードでたまったポイントは私が個人的に好きに活用しています。

ポイントを福利厚生に活用するのは問題ない

もちろん、大企業などでは法人カードでたまったポイントを好きに利用することはできないため、その場合は事務用品などに使用するといいです。

または、会社によっては社員の福利厚生として法人カードでたまったポイントを活用していることがあります。

例えば、たまったポイントを活用して社員旅行の費用に充てれば、社員にとってみれば格安で社員旅行に参加することができます。

また、クレジットカードのポイントではスポーツやコンサートなどのチケットに交換できることもあるため、福利厚生としてこうしたチケットを抽選として社員に渡しても問題ありません。

会社組織であれば、法人カードのポイントを福利厚生として活用できます。社長が個人的にポイントを活用するよりも、福利厚生での活用の方が自然ですし社員からの不満ができることもありません。

個人に付与されるカードであれば、ポイントを好きに使える

ただ、中にはポイントが会社に付与されるのではなく、たとえ法人カードで決済したとしても、個人にポイントが付与される法人カードが存在します。こうしたクレジットカードであれば、誰に文句をいわれることなく法人カードでたまったポイントを個人利用に活用できます。

例えばマイルであれば、個人にしか付与させることができません。ビジネスカードを活用したときであっても、必ず個人のポイントとしてマイルが付与されるようになるのです。会社名義でマイルをためることはできません。

ポイントやクレジットカードの特質を利用すれば、個人へポイントをつけることができるのです。

もちろん、こうした方法が問題になるかならないかについては会社ごとに違ってきます。「会社の法人カードで決済したポイントを社長が勝手に使っている」と社員に思われてしまい、モチベーションが下がるようでは意味がありません。

自分の会社の状況を的確に判断して、「社長が個人的に利用する」「福利厚生として活用する」など、ポイントの使用方法を考えましょう。

マイルやTポイントなど、どのポイントでためるのか

また、どのようなポイントをためたいのかについても考慮するようにしましょう。クレジットカードによってたまるポイントが大きく異なります。

ポイントとしては、主なものとして「マイル」「楽天ポイント」「Tポイント」などがあります。これらのうち、どれをためたいのか事前に把握しておくのです。

例えば、旅行をすることがなく航空券の取得に興味のない人がマイルをためても意味がありません。マイルをためるのは、海外旅行が好きな人が適切です。

また、同じマイルであったとしても、マイルにはANAマイルとJALマイルの2種類があります。マイルをためるとき、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)のどちから一方だけを頑張ってためるのが基本です。そのため、JALマイルをためている人であれば、ANAマイルがたまるのは魅力が薄いです。

このように、戦略的に考えてためるべきポイントを考えるようにしましょう。

クレジットカード会社独自のポイントはどうするのか

なお、JCB法人カードの「Oki Dokiポイント」、オリコ EX Gold for Bizの「暮らスマイル」など、クレジットカード会社独自のポイントを設定していることがあります。

こうしたポイントの場合、ギフトカードなどの商品券やその他の商品と交換できるようになっています。

また、マイルやTポイントなどに変換することもできます。ただ、他のポイントへ変換するとなると、還元率が悪くなることに注意が必要です。

例えば、JCB法人カードによるOki Dokiポイントをマイルに交換する場合、ANAマイルであってもJALマイルであっても、変換するとなると還元率は0.3%と非常に悪くなります。

JCB法人カードは還元率0.5%とされていますが、これはOki Dokiポイントとしてためた場合です。しかし、Oki Dokiポイントをマイルへ変換するとなると、他社のポイントであるため不利になるのです。

なお、Oki DokiポイントをTポイントに変換する場合であれば、還元率は0.4%となります。他社(マイルやTポイントなど)のポイントへ変換すると、その分だけ還元率は悪くなることはよくあります。

ちなみに、オリコ EX Gold for Bizであれば、暮らスマイルをTポイントへ変換する場合は同じ還元率です。しかし、ANAマイルやJALマイルへ変換すると、JCB法人カードと同様に還元率が悪くなります。

たまったポイントをそのまま商品に変えるなどして利用する場合は何も問題ありません。ただ、他のポイントへ変換する場合は還元率が悪くなってしまうことがあるという事実を考慮しなければいけません。

還元率の高い法人カード比較

ここまでを考慮した上で、還元率の高い法人カードを確認していきます。目的や使用用途に合わせて、どの法人カードの還元率が良いのかを確認するようにしてください。

以下では、ポイント還元率の優れたおすすめのビジネスカードを紹介していきます。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

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高還元率の法人カードを選ぶのであれば、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードが優れています。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの還元率は0.5%ですが、これをJALマイルでためるとなると還元率が1.125%になります。そのため、マイルでためた方が圧倒的に得です。

通常、ためたポイントをマイルへ移行するためにはセゾンクラブ入会(年会費4,400円)が必要です。ただ、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードはプラチナカードという位置づけであるため、こうした年会費が無料になります。

さらに、国内外の空港ラウンジを使用できる「プライオリティ・パス」がついたり、限度額(月のカード使用上限額)が高かったりとプラチナカードとしての特性も備えています。年会費は22,000円ですが、素早くJALマイルをためたい個人事業主や法人にとっては優れたカードです。

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