ネットビジネスには種類があり、その中でも代表的なものとしてせどり・転売があります。言葉は違うものの、せどりや転売はどちらも同じ商売になります。

こうした物販ビジネスで重要なのはクレジットカードです。ほぼ100%の確率で、ネットビジネスでの転売ではクレジットカードを利用するからです。

また、ネット上から商品を仕入れるわけではなかったとしても、リアル店舗で仕入れる際にクレジットカードを利用するのは普通です。仕入れのために大量の現金をもっていくのは現実的ではなく、カード決済したほうが圧倒的に楽です。

しかし、クレジットカードは種類が多くどのようなクレジットカードを選べばいいのか迷ってしまいます。そこで、せどり・転売を生業とする人におすすめのクレジットカードを紹介します。

ヤフオクやAmazon、欧米・中国輸入などで必要な法人カード

せどりといっても、人によってやり方は異なります。ヤフオクで中古品の転売をしている人がいれば、Amazonでのせどりを実施している人もいます。欧米や中国のECサイト経由で輸入して仕入れを行い、Amazonなどで売っている人もいます。

場合によっては、仕入れた商品をeBayなどで輸出転売している人もいます。いずれにしても、ネットビジネスとして何かしらの媒体を利用して商品を転売しています。

こうしたネットビジネスで商品を仕入れるとき、銀行振込やコンビニ決済であればどうでしょうか。そのつど外出して振込作業をしなければいけないため、恐ろしく時間がかかります。ネットバンキングなどであっても、銀行の管理画面を開いて入金額を入力するなど手間が必要です。

さらにいうと、これら銀行振込だと手数料がかかるというデメリットがあります。積み重なっていくと非常に大きな金額なります。

一方でクレジットカードであれば、そうした手間はないですし手数料はかかりません。それどころか、ポイント付与が存在します。クレジットカードなしでせどり・転売ビジネスを実践するのはあり得ないのです。

無在庫転売でもクレジットカードなしは考えらず、個人利用と分けるべき

同じことは無在庫転売でも同様です。一般的なせどりだと、ヤフオクやAmazon、欧米・中国のECサイト、eBayなどから仕入れた後に出品し、売れたら発送します。一方で無在庫転売の場合、先に商品を掲載して、売れた後に仕入れ・発送をするという手順を踏みます。

こうした無在庫転売であっても、同様に仕入作業が発生するのでクレジットカードが必要になります。

いずれにしても、「転売ビジネスでクレジットカードなしは考えられない」と思ったほうがいいです。物販を行う以上、クレジットカードを必ず作らなければいけません。

当然、「個人で利用するクレジットカードとビジネス用のクレジットカードを分ける」のは必須です。ビジネスではプライベート用の銀行口座と事業用の銀行口座を分けるのが大原則ですが、それぞれの銀行口座に紐づいているクレジットカードを分類するのです。

個人事業主や副業でも税務調査ではビジネスカードが最適

このとき利用するべき事業用のクレジットカードは決まっています。それは、法人カードです。

中には個人のクレジットカードの利用を推奨する人もいますが、副業であれ本業であれ転売で個人クレジットカードを利用するのはおすすめできません。これには、法人カードの使用によって「税務調査で指摘されるリスクを回避し、ビジネス用として使い分けできる」という利点があるからです。

個人で年間20万円以上の利益が出ている場合だと、以下のように確定申告が必須になります。

たとえ副業サラリーマンであっても、年間20万円であればせどりで簡単に達成できます。転売で年間20万円の利益くらい、誰でも出せるのです。

こうした副業や個人事業主でビジネスをする場合、人によっては税務調査を受けます。「自分は少額しか稼いでいないから大丈夫」と考える人は多いですが、少額でも問題なく税務調査が入ることがあります。このとき、個人クレジットカードだとプライベートの側面が強いため、税務調査で指摘される可能性があるのです。

法人カードよりも個人クレジットカードのほうがポイント還元率は高く、特典についても優れているケースは多いのは事実です。ただ、税務調査で指摘されて無駄に税金の金額が高くなってしまうとそれ以上に損をします。

また、一般的に法人カードだと利用限度額が高くなっています。そのため、個人カードのようにすぐ上限いっぱいに達することはなく、問題なくビジネスを継続することができます。

個人カード法人カード
対象

個人

自営業・法人

追加カード1枚複数枚
支払い方法リボ払いまで可能原則、一括のみ
利用限度額低い高い
税務調査リスクありリスクなし

ビジネス目的でカード決済する場合、法人カード(ビジネスカード)を活用するのが大原則です。個人事業主や副業サラリーマンであっても法人カードを作れるため、事前に作っておくのです。

法人カードであれば、将来せどりで儲かって法人成りするときであっても、名義変更するだけでそのまま継続利用できます。仮に、社員やアルバイトを雇って仕入れや発送作業を代行してもらうにしても、追加カード(社員用のビジネスカード)を作ることもできます。

当然、これらのことは個人クレジットカードだと実現できません。

多くの人が侵すミスとして、個人クレジットカードを新規発行して事業用に使ってしまうことがあげられます。そうではなく、物販ビジネスをするときは必ず法人カードを発行し、決済するようにしましょう。

会社組織であれば、法人カード以外に選択肢はありません。ただ、副業のサラリーマン・学生や個人事業主であると個人クレジットカードでもビジネス決済できてしまいます。しかし、ビジネスカードの保有を考えるのが正しいです。

限度額の大きいゴールドカードやプラチナカードでの支払いがおすすめ

このとき、限度額の大きいビジネスカードを保有することを考えましょう。もちろんせどり初心者だと、最初からグレードの高すぎるクレジットカードを保有することをためらう人は多いです。その場合、最もグレードの低い法人カードを利用しても問題ありません。

ただ、既にある程度の転売ビジネスをスタートさせている人であれば、ゴールドカードやプラチナカードを保有するようにしましょう。

理由は単純であり、利用限度額が高額に設定されているからです。一般的に法人カードの限度額は以下のようになっています。

  • 一般カード:限度額150万円
  • ゴールドカード:限度額300万円
  • プラチナカード:限度額500万円以上

利用限度額というのは、1~2ヵ月の間に利用できる金額上限だと考えればいいです。例えば、限度額100万円の法人カードをもっている場合、前月に70万円を使用したのであれば、今月は30万円までしか利用できません。

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せどりであると、一般的に利益率は10~30%です。そのため、100万円の売上があっても仕入れによる支払いがあるため、残る利益は10~30万円だと考えましょう。残った利益の何倍も支払いがあるため、転売ビジネスをするとカード支払い額が非常に高額になりやすいです。

そのため、最初は一般カードから始めたとしてもある段階でゴールドカードやプラチナカードを保有するのは必須になることを理解しましょう。

またカード会社のスペックにもよりますが、一般的にゴールドカードやプラチナカードだとポイント還元率が高くなりやすいという利点もあります。

せどりをしている人の多くでプラチナカードを使っているのは、「グレードの高いクレジットカードにあこがれている」という理由からではありません。そうしたビジネスカードを利用しなければ、仕入れ時の支払いが滞ってしまうからなのです。

マイルなど、保有するポイントは重要

支払が高額になりやすいからこそ、法人カード利用によるポイント獲得は重要です。仕入で100万円を使う場合、還元率1%なら1万円分のポイントが付与されるからです。

このとき、カード会社によって付与されるポイントの種類が異なります。そのため、還元率に限らずどのようなポイントを貯めたいのか考えるようにしましょう。会社独自のポイント制度になっていることが多いからです。

例えば、有名な法人カードであれば以下の通り貯まるポイントが違ってきます。

  • 三井住友カード ビジネスオーナーズ:Vポイント
  • セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード:JALマイル

Vポイントやオリコポイントなどについては、カード会社独自のポイントです。そのためAmazonギフトなど、ポイントを他のギフトカードに変えるのが一般的です。

また、マイルをためたい場合はJALマイルまたはANAマイルになりますが、どちらのマイルを貯めたいのか考えたうえでビジネスカードを作成するようにしましょう。

買い物購入でキャッシュフローを考え、前半・後半で分ける必要性

より賢くクレジットカードを使う場合、キャッシュフローまで考えても問題ありません。買い物購入によって仕入れが必要になる以上、物販では資金繰りが非常に重要になるからです。

前述の通り、クレジットカードだと支払いを後にできるため、キャッシュフローを改善するという意味で重要です。

ただ、カード会社によってクレジットカードの締日が異なります。月末締めや15日締めなど、法人カードによって違っているのです。

それぞれ、以下のようになっています。

法人カード締日・支払日最長支払い猶予期間

三井住友カード ビジネスオーナーズ

毎月15日締め、翌月10日払い

月末締め、翌月26日払い

55日

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

引落先口座により異なる引落先口座により異なる

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

10日締め、翌月4日払い55日

そのため、月の前半と後半で使用するクレジットカードを使い分けている人はたくさんいます。そのほうがキャッシュフローの改善になるからです。

そこで買い物をして仕入れるとき、以下のようにします。

  • 月末締めのカード:月の前半(1~15日)に使用する
  • 15締めのカード:月の後半(16~21日)に使用する

支払いまでの日を長く設定できれば、その分だけキャッシュフローは改善されます。そこで、このように前半と後半で使い分け、お金が出ていくのをできる限り先延ばしにするのです。

もちろん、せどり初心者の段階でクレジットカード2枚持ちの必要はありません。ただ、ある程度まで転売をして利益が出ているのであれば、このように使い分けることも重要です。さらに法人カードの枚数が多ければ、その分だけカード合計での限度額が大きくなるため、より多くの購入が可能になるメリットもあります。

ゲームや回数券、チケットなどクレジットカード現金化は注意

ただ、転売するときは注意点があります。それは、換金性の高い商品を購入するときです。具体的には、以下のようなものが該当します。

  • パソコン、カメラ、ゲーム
  • 回数券、商品券、チケット
  • 高額なブランド商品(バッグなど)
  • 貴金属

なぜ、こうしたものを購入するのに注意が必要になるかというと、換金性が高いからです。転売をするため、換金性の高い商品(=売ることで現金になりやすいもの)を取り扱うのは当然だといえます。しかし、先に記した商品の物販をするときは最新の注意が必要になるのです。

これは、クレジットカード現金化と呼ばれる手法が存在するからです。クレジットカード会社にとって非常に迷惑となる手法であり、たとえビジネス目的で利用する法人カードであっても利用停止される恐れがあります。

換金性の高い商品購入が多いと利用停止になる

一般的な転売では、稼ぐことを目的にしています。例えば8,000円で買い物を行い、仕入れた商品を10,000円などで売ります。当然ではありますが、このようにして稼ぐようにします。

しかし、中には8,000円で商品を仕入れて7,500円などで売る人がいます。なぜ、仕入れ価格よりも低いにも関わらず売るのかというと、単純にいますぐ現金が欲しいからです。

キャッシングまではしたくないものの、手持ちのクレジットカードを利用してお金を得る手法をクレジットカード現金化といいます。実際、金券ショップに行けば95%以上の値段で商品券を換金してくれます。

要は、クレジットカードのショッピング枠をお金に変える手法になります。ただ、お金のない人が行うやり方なので、カード会社にとってみると支払いが滞る可能性が高いです。そのため、換金性の高い商品を購入すると利用停止になる恐れがあります。

パソコン・ゲーム転売に限らず、高級バッグの輸出・輸入のせどりをしている人であっても、換金性の高い商品を頻繁に売買していると利用停止に陥ることがあります。

また、これら換金性の高い製品は悪用されることも多いです。私も過去、どこかでカード番号が盗み取られたのか悪用されたことがありました。私はカメラの転売はしていませんが、カード会社から電話がかかってきて「35万円のカメラを購入しましたか?」と聞かれたのです。

そうした記憶はないので違うと回答し、この場合はすぐに利用停止の手続きに移りました。当時はJCB法人カードを使っていましたが、このときは以下のようなメールが来ました。

この場合は本当の不正利用だったのですぐに利用停止しましたが、これと同じように転売で換金性の高い商品を購入すると「なぜかカード決済できない」ことがあるのは理解しましょう。

クレジットカード現金化や不正利用などにより、換金性の高い商品を購入すると利用停止に陥ることがあります。ビジネス目的でせどりをしている人にとっては迷惑な話ですが、セキュリティーのために仕方ないと考えましょう。

なお、この場合は慌てずにカード裏面に書かれてある電話番号にかけるといいです。以下は法人カードの一つであり、私が利用していた三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersですが、このようにカード会社の電話番号が記載されています。

ここに電話すれば、利用停止が解除されて問題なく使えるようになります。実際、過去に私はディズニーランドのチケットをネット購入しようとしたとき、利用限度額は問題ないのになぜかカード決済できないことがありました。

そこでカード会社に問い合わせをすると、「ディズニーチケットは転売で悪用されやすいため、ランダムで検知して利用停止することがある」といわれました。電話をして本人確認をしたので、電話を切った数分後には問題なくカード決済できました。

転売ビジネスで必須になるクレジットカードですが、お金に換えることを目的に買い物をする以上、利用停止を食らう可能性があります。そうしたとき、落ち着いてカード会社に電話して解除してもらうといいです。

審査の厳しくない、ネットビジネス転売に適した法人カード

ここまでのことを理解したうえで、転売での仕入れに適した法人カードを作るようにしましょう。もちろん、ネットビジネス初心者の人は多いため、このときは審査のゆるいビジネスカードに申し込まなければいけません。

実際のところ、法人カードは個人クレジットカードに比べて審査が厳しめになっているのは間違いありません。ただ、ビジネスをしたことのない副業サラリーマンや学生であっても問題なく審査に通過する法人化カードが存在するため、審査基準が低い法人カードを選択するようにしましょう。

もちろん、審査に通過しやすいとはいってもポイント還元率が優れていたり、特典内容が良かったりするビジネスカードは存在します。年会費やカードのスペックはそれぞれ異なるため、どの法人カードに申し込むべきか考えるといいです。

それでは、以下にせどり・転売をする人におすすめの法人カードを記します。

三井住友カード ビジネスオーナーズ

法人カードの中でも、標準的なクレジットカードが三井住友カード ビジネスオーナーズです。年会費は永年無料と非常に敷居が低くなっています。

初心者用の法人カードなので、審査基準は低いです。実際、法人であっても登記簿謄本の提出が不要なほどのビジネスカードです。当然、ビジネス実績のない個人事業主であっても問題なく審査に通過します。

ポイント還元率は0.5%と普通であり、一般カードのカード利用枠についても~500万円(所定の審査あり)と一般的です。ただ、ゴールドカードも存在するため、転売で稼げるようになったら徐々にグレードアップしていけば問題ありません。

電車を割引で乗ることができたり、新幹線予約の特典があったり、その他の優待も優れている法人カードです。ビジネス初心者に効果的な法人カードであり、締日を15日締めと月末締めで選べるもの優れています。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

ステータス性の高いプラチナカードとして、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードがあります。しかしプラチナカードにも関わらず、年会費22,000円とお手頃です。

またプラチナカードなので限度額が非常に高く、コンシェルジュサービスも付いているという特徴があります。

なお、最大のメリットは高還元率です。還元率1.125%であり、JALマイルとしてポイント付与があります。マイル価値は高く、「1マイル=2~3円」なので非常にお得です。

せどりによって年間200万円以上の仕入れが発生する場合、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードを発行してビジネスをするといいです。

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