クレジットカードの中でも、国際ブランドにこだわる人は多いです。国際ブランドとは、VisaやMastercard、JCB、アメックス(アメリカン・エキスプレス)、ダイナースなどを指します。クレジットカードには規格があり、Visaはその中の一つです。
法人カードをもつとき、どのような国際規格がいいのか迷う人は多いです。ただ、Visaであれば大きな問題になることは少ないです。
それでは、Visaのビジネスカードにはどのようなものがあるのかについて、カードごとに比較しながら確認していきます。
国際ブランドにはそれぞれ特徴がある
国際ブランドによって特徴は大きく異なります。例えば、アメックスが発行するクレジットカードは、あらゆるクレジットカードの中でも最もステータスが高いです。
例えば、最高峰のクレジットカードとしてブラックカードがあります。これはアメックスのブラックカードを指し、アメックス・センチュリオンカードのことをいいます。
年会費は非常に高く、385,000円です。ステータス性を重視する人はアメックスをもっています。
また、アメックスの次にステータス性の高いカードがダイナースです。アメックスには手が出ないけど、ダイナースであれば手が届くという人に向いています。
一方でJCBは日本発の国際ブランドです。ハワイに強く、ハワイへ頻繁に旅行する人であればJCBのクレジットカードをもっているだけで多くの特典を受け取ることができます。
Visaは世界中で使える国際ブランド
日本国内の場合、Visa、Mastercard、JCB、アメックス、ダイナースであれば、どの国際ブランドであっても問題なく決済できます。かなり前はアメックスやダイナースを使えない店舗があったものの、現在は普通に使えます。
ただ、世界に目を向けると話が変わってきます。海外ではJCBやアメックス、ダイナースを使えない店が多いです。
日本国内だけでカード決済する場合であれば何も問題ありません。ただ、海外出張(外国旅行)のある人では、JCB、アメックス、ダイナースを使えないことが多いと認識しなければいけません。
その点、VisaやMastercardは世界中どこでも通用する国際ブランドです。その中でも、Visaは最も世界中で使われている国際規格です。Visaのカードをもっていれば、カード利用できない確率が最も低くなるのです。
異なる国際ブランドのカードをもっておくのが安心
それでは、Visaのクレジットカードだけをもっていればいいのかというと、必ずしもそういうわけではありません。異なる国際規格のカードをもっておくのが適切です。
現在、私は個人クレジットカードから法人カードまでさまざまなカードを保有しています。それらのカードで意識しているのは、「異なる国際規格のカードをもつ」ことです。
例えば、手元にJCBとVisaのブランドのクレジットカードをもっているのであれば、「次回はアメックスの国際ブランドのカードを申請する」などです。
一つの国際規格だけをもっているのは危険です。例えば、私がドイツへ海外出張したとき、Mastercardしか認識してくれなかったことがあります。
ヨーロッパはカード社会であり、100円程度の買物であってもクレジットカードを使うのが基本です。ただ、先進国ドイツであっても日本のようにしっかりしている店舗は少なく、ほとんどの店で何らかの国際ブランドを使うことができません。
そのときは電車の切符を購入するため、Visaの法人カードを機械にいれました。ただ、認識されずカードが返ってきました。そこで仕方ないのでJCBやアメックスなどのカードを入れたものの、これも認識されずカードが返ってきます。
ただ、そのときは現金(ユーロ)をほとんどもっておらず、さらには無人駅だったので切符を買えなければ大変です。そこで、祈る思いでMastercardの個人クレジットカードを挿入したところ、ようやく認識してくれて切符を購入できたことがあります。
参考までに、ドイツでは以下のような機械で切符を購入できます。
上の写真にある機械では、日本でいう一万円のような大きなお金は認識してくれず、小銭が大量にないと切符を買えません。そのため、クレジットカードが重宝されます。ただ、駅によっては機械がボロくて特定の国際規格をもつクレジットカード(Mastercardなど)しか認識しないことがあったのです。
こうしたことから、一つの国際ブランドにこだわるのではなく、さまざまな規格のクレジットカードをもっていれば安心です。
Visaで作れるビジネスカードには何があるのか
それでは、法人カードの中でもVisaで作成できるものとしては何があるのでしょうか。
法人カードは個人クレジットカードのように種類が多いわけではありません。また、法人カードの中でも、個人事業主・フリーランスや会社経営者が好んで使う人気のビジネスカードはさらに限られてきます。
その中でも、Visaとして優れている法人カードとしては以下のようなものがあります。
法人カード | 選べる国際ブランド |
三井住友カード ビジネスオーナーズ | |
オリコ EX Gold for Biz |
それぞれの法人カードについて、比較しながら確認していきます。
年会費はクレジットカードで重要
クレジットカードを選ぶとき、気になるものとして年会費があります。個人事業主や会社経営者の場合、法人カードの年会費は経費で落とすことができます。ただ、それでも年会費は気になってしまいます。
アメックスやダイナースの場合、どれも年会費が高いです。ただ、Visaのビジネスカードはどれも良心的な年会費になっています。もちろん、ゴールドカードやプラチナカードになると年会費は高くなりますが、一般カードであれば比較的年会費は安いです。
まず、年会費は以下のようになっています。
- オリコ EX Gold for Biz:年会費2,200円(初年度無料)
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ:年会費永年無料
Visaの中でも、三井住友カード ビジネスオーナーズは年会費が永年無料です。また、オリコ EX Gold for Bizは2,200円となっています。
ポイント還元率を個人事業主・会社経営者は見るべき
ただ、単純に年会費だけで比べてはいけません。クレジットカードでは利用金額に応じてポイント付与があるため、ここまで考慮する必要があります。
法人カードを利用したことによるポイントについては、社長が個人的に利用することができます。厳密には、法人カードで使用して付与されたポイントは会社のものです。ただ、税務調査で指摘されることはなく、実質的に個人事業主や会社経営者を含めほとんどの人が私的に活用しています。
法人カードのポイントは「非課税のお金が手に入る」ことと同じであるため、非常に重要です。
ビジネスカードのポイント還元率は0.5%が一般的です。実際、三井住友カード ビジネスオーナーズの還元率も0.5%です。
その一方で、オリコ EX Gold for Bizの場合、最初から還元率0.6%です。また、年間200万円以上利用する人では還元率1.1%になるなど、法人カードの中でも最高レベルの還元率を実現できます。
法人カードは事業用の決済カードであるため、月の利用額は高額になりやすいです。そのため、ポイントをためたい人はオリコ EX Gold for Bizが最も適切です。
マイルをためたい場合はオリコ EX Gold for Biz
なお、中にはポイントをマイルでためたい人もいます。マイルは価値が高く、「1マイル=2~3円」だからです。
その場合、Visaの法人カードであればオリコ EX Gold for Bizが適切です。三井住友カード ビジネスオーナーズなど、他のVisaカードでもマイルへ変換できますが、レートが悪いのであまりおすすめできません。
ためたポイントをマイルへ移行するため、どうしてもマイルへの移行手数料がかかって還元率は低くなります。ちなみに、オリコ EX Gold for Bizを利用する場合、ANAマイルでは還元率0.36%、JALマイルだと0.3%になります。
オリコ EX Gold for Bizを年間200万円以上使う場合、還元率はANAマイル0.66%、JALマイル0.55%です。
・Visa以外でマイルをためるときの法人カード
参考までに、JALマイルをためるときに最も効率的なのはセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(国際ブランドはアメックス)です。JALマイルの還元率は1.125%です。
アメックスにはなりますが、ビジネスカードの中でも最高クラスの還元率を実現できます。
ビジネスでの実績のない人は審査を考慮するべき
ただ、どのような人であってもカード申請できるわけではありません。特にビジネス初心者の個人事業主や会社設立一年未満の法人の場合、法人カードの審査に通りにくいです。
そのため、たとえビジネスでの実績がない個人事業主や会社であっても、問題なく審査に通過する法人カードへ申請する必要があります。
ビジネス初心者や設立一年未満の会社でも審査に通過する法人カードとしては、オリコ EX Gold for Bizと三井住友カード ビジネスオーナーズがあります。月の利用額によって申請する法人カードを分ける必要はありますが、この2つはビジネス初心者でも申し込むことができます。
特に三井住友カード ビジネスオーナーズは審査が甘く、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や決算書の提出が不要になっています。
ゴールドカードやプラチナカードなど、ステータス性を重視したい
ただ、ビジネスをしていればゴールドカードやプラチナカードなど、よりステータス性の高い法人カードをもちたいと考えるようになります。
私も会社を立ち上げたとき、最初は年会費の安い一般カード(このときはJCB法人カード)を申請して使っていました。ただ、現在はゴールドカードやプラチナカードを含め、多くのビジネスカードを活用しています。
一般カードとは異なり、ゴールドカードやプラチナカードでは特典やサービスが優れています。例えば、一般カードであると利用限度額は100万円が上限になることが多いです。
※三井住友カード ビジネスオーナーズの場合、一般カードもゴールドカードもカード利用枠は~500万円(所定の審査あり)が上限です。
また、ゴールドカードであると、空港で「ゴールドカード用のラウンジ」を使うことができます。さらに、プラチナカードであるとプライオリティ・パスという、より上級の空港ラウンジを活用できるカードを発行可能になります。
以下のような場所が空港ラウンジであり、これだけで飛行機の待ち時間が一気に快適なものに変貌します。
それだけでなく、海外旅行傷害保険が優れていて、このときは自動付帯です。一般カードでは、「ツアー代金や航空券などをカード決済していないと保険付帯がつかない」という利用付帯がほとんどです。ただ、ゴールドカード以上になると自動付帯になることが多いです。
さらに、コンシェルジュサービスがあるなど、年会費は高くても特典のことまで考えるとゴールドカードやプラチナカードをもつメリットは大きいです。
ちなみに、ゴールドカードは年会費1万円以上が普通です。ただ、オリコ EX Gold for Bizは年会費2,200円にも関わらず、ゴールドカードです。非常に安い年会費でゴールドカードをもつことができるという大きな利点があります。
プラチナカードのVisaは三井住友ビジネスプラチナカード for Owners
なお、法人カードでプラチナカードをもちたい場合、以下に限られてしまいます。
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナカード:国際ブランド(アメックス)
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード:国際ブランド(アメックス)
- JCB プラチナ法人カード:国際ブランド(JCB)
- 三井住友ビジネスプラチナカード for Owners:国際ブランド(Visa or Mastercard®)
このように考えると、プラチナカードの中でVisaを取得したい場合、三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersの一択になります。もし、Visaにこだわりがあってもプラチナカードをもちたい場合、三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersにしましょう。
実績があれば、三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersは個人事業主・フリーランスであっても問題なく申請できます。
Visaで優れている法人カードとは
ここまで、法人カードごとに比較して述べてきました。以下では、その内容をカード別に再確認していきます。
Visaカードであれば、世界のどの国であっても大体は問題なく使用できます。用途範囲の広いクレジットカードですが、カード会社ごとに特徴が異なるので、これらを認識したうえで申請する必要があります。
三井住友カード ビジネスオーナーズ
三井住友Visaカードとして有名であり、この法人版として三井住友カード ビジネスオーナーズがあります。年会費は永年無料であるため、申請しやすいカードです。
また、審査は他の法人カードに比べると甘いです。赤字企業であっても問題なく審査に通過するため、ビジネス初心者の個人事業主や法人である場合であっても安心です。
カードのスペックとしては普通であり、還元率は0.5%です。ただ年会費は永年無料であり、気軽に申請することができます。
また、ハイステータスなゴールドカードやプラチナカードをVisaカードでもちたいと考えている場合、三井住友ビジネスプラチナカード for Ownersに申請するといいです。
オリコ EX Gold for Biz
ゴールドカードであるにも関わらず、年会費2,200円(初年度無料)と非常にコストパフォーマンスの良いビジネスカードがオリコ EX Gold for Bizです。
ゴールドカードであるため、ラウンジを活用できたり限度額10~300万円と広く設定されていたりします。
また、ゴールドカードなので海外旅行傷害保険は自動付帯です。つまり、カードをもっているだけで保険がついていきます。
還元率は0.6%と高めであり、年間の利用額が200万円を超えると還元率1.1%になります。税金の支払いを法人カードですれば、年間200万円を超えるのは難しくありません。還元率が高いこともオリコ EX Gold for Bizが優れている理由です。
個人事業主や設立一年未満の会社でも申請できるカードなので、誰でも申し込むことができます。