法人カードを利用するとき、カード会社で知られる三菱UFJニコスの法人カードを検討する人がいます。三菱UFJニコスの法人カードとしてはMUFGカード ビジネスがあります。

法人カードの中でも、MUFGカード ビジネスにはどのような特徴があるのでしょうか。

MUFGカード ビジネスには一般カードとゴールド法人カード(MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネス)があります。これらの違いやMUFGカード ビジネス独自の特徴について、比較しながら解説していきます。

一般カードゴールドプレステージカード
対象 個人事業主・法人
券面
年会費Visa・Master片方: 1,250円(税別)

Visa・Master両方: 1,500円(税別)

Visa・Master片方: 10,000円(税別)

Visa・Master両方: 12,000円(税別)

追加カードVisa・Master片方: 1,250円(税別)

Visa・Master両方: 1,500円(税別)

Visa・Master片方:2,000円(税別)

Visa・Master両方: 4,000円(税別)

還元率0.5%0.5%
ETCカード年会費無料 (発行手数料:1,000円)無料
ETCカード枚数制限複数枚発行可能複数枚発行可能
限度額40~80万円100~300万円
国際ブランド 

年会費の安いMUFGカード ビジネス

法人カードを作るとき、最初に気になるものとして年会費があります。MUFGカード ビジネスの年会費は安く、一般カードを作るときは年会費1,250円です。

MUFGカード ビジネスはVisaとMastercardで選ぶことができます。通常、どちらか一方しか作ることができません。ただ、MUFGカード ビジネスではVisaとMastercardの両方作れるという大きな特徴があり、一枚だけでなく両方を作る場合は年会費1,500円になります。

また、追加カードの発行枚数に制限はなく、何枚でも追加することができます。追加カード一枚ごとに年会費1,250円は必要になるものの、社員数の増加に伴って追加カードを作ることが可能になるのです。

ゴールド法人カードとして知られるMUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスについては、年会費10,000円です。VisaとMastercardの両方をもつ場合、年会費12,000円になります。

一般カードと同じように、年会費を支払えば追加カードは発行無制限になります。年会費はVisa・Mastercardのどちらか一方なら追加カードの年会費2,000円、両方なら年会費4,000円になります。

法人ETCカードも何枚でも発行可能

三菱UFJニコスの法人カードであれば、法人ETCカードも発行できます。ETCカードを使うだけで深夜割引や休日割引の適応になるため、経費削減の意味でもETCカードの利用は必須です。

法人カード一枚につき、法人ETCカードを一枚発行することができます。追加カードは年会費さえ支払えば無制限で発行できるため、法人ETCカードについても何枚でも発行できます。

法人ETCカードの年会費自体は無料です。ただ、一般カードであると、最初だけ発行手数料として法人ETCカード一枚につき1,000円が必要になります。

ゴールド法人カード(MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネス)では発行手数料が必要なく、年会費を含めすべて無料になります。ただ、一般カードでは法人ETCカードの発行手数料が必要になると考えてください。

MUFGカードの利用限度額

それでは、MUFGカード ビジネスの利用限度額はどれくらいなのでしょうか。カードの利用枠がなければカード決済できないため、限度額の確認は必須です。

一般カードの場合、利用限度額は低めです。一般カードの限度額は40~80万円です。追加カードを含めた合算額がこの限度額なので、一般カードはビジネス間もない初心者向けのカードになります。

少しでもビジネス歴がある場合、限度額80万円以上になるのが普通です。そのため、一般カードは限度額が高いカードというわけではありません。

一方でゴールド法人カードになると、利用限度額が高くなります。MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスの限度額は100~300万円です。利用枠が300万円まであれば、困ることは少なくなります。

カード払いは一回のみであり、分割払いやリボ払いには対応していません。そのため、カード利用枠を考えたうえで一般カードかゴールド法人カードを選ぶ必要があります。

審査基準は厳しい

ただ、どれだけカードのスペックが優れていたとしても、審査に通過しなければ意味がありません。その点、MUFGカード ビジネスはどうなのでしょうか。

残念ながら、三菱UFJニコスの法人カードは審査基準が高めです。公式サイトにも明記されていますが、原則として黒字決算の個人事業主や法人だけが申請することができます。

また、MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスとなると、さらに審査基準が厳しくなります。個人事業主や法人の中でも、「業歴3年以上で、2期連続黒字決算の法人または個人事業主」と明記されています。

つまり、ゴールド法人カードを手にするためにはビジネス歴が3年以上あり、さらには2年連続で黒字である必要があります。

しかし、3年以上ビジネスを継続するだけでも難しいにもかからず、2期連続で黒字となると非常にハードルが高いです。そうした個人事業主や法人がほとんどいないことを考えると、三菱UFJニコスの法人カードは審査が厳しいカードだといえます。

タクシーチケットの手配が可能

法人カードでは珍しく、MUFGカード ビジネスはタクシーチケットを手配することができます。

タクシーチケットがあれば、接待のときにスムーズになります。また、接待相手に現金でタクシー代を渡す必要がなくなり、タクシーチケットを使えば問題なく経費で落とすことができます。

タクシーチケットを手配するとき、会員サイトへログインした後に申し込みをします。約一週間後に手元へ届くため、あとは全国にある加盟タクシーでタクシーチケットを利用するだけです。タクシーチケットの利用分については、後でカード明細書に載ります。

「家族がタクシー利用するとき」「妻が病院へタクシーで行くとき」などであっても、得意先の接待ということにしてタクシーチケットを利用し、節税することも可能です。タクシーチケットはあらゆる場面で利用することが可能なのです。

ポイント還元率0.5%だが、加算ポイントがある

一方でポイント還元率はどうなのでしょうか。法人カードの中でも、MUFGカード ビジネスのポイント還元率は普通です。還元率0.5%であり、ポイント還元率は高くも低くもありません。

ただ、前年のカード使用実績に応じてポイント還元率がアップするプログラムが存在します。これを「グローバルPLUS」といいます。

グローバルPLUSによってどれだけポイント還元率が改善されるのかというと、一般カードとゴールド法人カード(MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネス)で異なります。

ただ、どちらにも共通するものとして、「年間50万円以上、100万円未満」「年間100万円以上」という2つのステージがあります。

三菱UFJニコスの法人カードには個人事業主と法人が申請できます。こうした事業主であると、携帯電話代や水道光熱費など、毎月の支払いだけで月5万円(年間60万円)ほどになります。これに交際接待費や諸経費が加わると年間100万円以上になるのが普通なので、ハードルは高くありません。

そこで以下では、それぞれについてポイントアップのプログラム(グローバルPLUS)の内容を確認していきます。

・MUFGカード ビジネスのポイント還元率

一般カードの場合、「年間50万円以上、100万円未満」の場合は翌年のポイントが10%、「年間100万円以上」の場合は翌年のポイントが20%アップします。

つまり年間100万円以上の利用であると、還元率0.6%になります。

ステージ
年間のカード利用額50万円以上、100万円未満100万円以上
ポイントアップ率10%20%
還元率0.55%0.6%

・MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスのポイント還元率

それに対してゴールド法人カードの場合、「年間50万円以上、100万円未満」の場合は翌年のポイントが20%、「年間100万円以上」の場合は翌年のポイントが50%アップします。

つまり年間100万円以上の利用であると、還元率0.75%になります。

ステージ
年間のカード利用額50万円以上、100万円未満100万円以上
ポイントアップ率20%50%
還元率0.6%0.75%

還元率の改善という意味では、MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスの方が優れているといえます。

指定月でポイント2倍になるアニバーサリーポイント

また、一般カードではなくゴールド法人カード(MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネス)だけにはなりますが、指定月のポイント付与が2倍になるアニバーサリーポイントという制度があります。

MUFGカードの場合、1,000円の利用で1ポイントがたまります。「1ポイント=約5円」の価値があるので還元率0.5%ですが、指定月では1,000円の利用で「通常獲得の1ポイント+アニバーサリーポイントの1ポイント」が付与され、還元率2倍になるのです。

個人事業主の場合、12月で所得が確定します。所得税を減らす(節税する)ため、12月ではどうしてもカード決済額が多くなります。そのため、個人事業主では12月をアニバーサリーポイントの適応月にしましょう。

一方で会社組織の場合、決算月が節税のために大きく動く月になります。決算月は必然的にカード決済額が高額になるため、会社で定めた決算月をアニバーサリーポイントの適応月にしましょう。

「Point名人.com」によるポイントアップ

また、MUFGカード ビジネスをもったときに必ず利用すべきサイトとして、Point名人.comがあります。三菱UFJニコスが運営しているこのサイト経由でネットショッピングすることにより、ポイント付与が2~25倍になります。

もちろん、微妙なショップばかりが並んでいるわけではなく、Amazonや楽天、ヤフーショッピングなどの大手も登録されています。サイト経由でこれらのネットショップで買い物するだけでポイント2倍以上になります。

つまり、ほとんどのネットショップでポイント2倍以上になると考えて問題ありません。ネットショップをするとき、こうしたサイトを経由するクセをつけるようにしましょう。

JCB法人カードとの違い

MUFG法人カードとの違いについて確認してきましたが、カードのスペック自体は普通であることから、法人カードをあまり使ったことのないビジネス初心者向けの法人カードがMUFGカード ビジネスです。

ただ、こうした初心者向けの法人カードの代表格としてJCB法人カードがあります。JCB法人カードと比較したとき、MUFGカード ビジネスとの違いは何があるのでしょうか。

MUFGカード ビジネス:一般カードJCB一般法人カード
対象 個人事業主・法人
券面houjinjcb
年会費 1,250円(税別) 1,250円(税別:初年度無料)
追加カード 1,250円(税別) 1,250円(税別:初年度無料)
還元率0.5%0.5%
ETCカード年会費無料 (発行手数料:1,000円)無料
ETCカード枚数制限複数枚発行可能複数枚発行可能
限度額40~80万円30~100万円
国際ブランド jcb

JCB法人カードとMUFGカード ビジネスを一般カードで比べたとき、明らかにJCB法人カードの方が優れています。JCB法人カードでは初年度無料であり、法人ETCカードでは年会費や発行手数料が必要ありません。限度額も高めに設定されています。さらに、JCB法人カードにもポイントアップのプログラムが存在します。

また、MUFGカード ビジネスの最大の欠点として「審査基準が高い」ことがあります。ビジネス初心者向けの法人カードであるにも関わらず、黒字決算の個人事業主や法人が対象となっているのです。

一方でJCB法人カードの場合、ビジネス初心者の個人事業主や設立一年未満の法人であっても問題なく審査に通過します。

審査基準が高いことから、ビジネス初心者がMUFGカード ビジネスの一般カードに申請しても意味がありません。そこまでビジネス経験のない場合、JCB法人カードなど審査基準の低いカードへ申し込む必要があります。

申し込むべきはMUFGカード ゴールドプレステージ ビジネス

それでは、MUFGカード ビジネスを使うメリットがないのかというと、そういうわけではありません。申し込むべきはMUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスです。

ゴールド法人カードですが、このカードについてはスペックが優れています。それでは、MUFGカード ビジネスの一般カードと比べてどのような内容になっているのでしょうか。

カード限度額が300万円までと高く設定されており、アニバーサリーポイントが存在することは既に述べました。そこで、その他の点について確認していきます。

空港ラウンジの利用

一般カードとは異なり、ゴールド法人カードでは空港ラウンジを利用できます。飛行機では待ち時間が長くなるため、このときに空港ラウンジを使うのです。

主に国内線になりますが、ゴールド法人カードと航空券を提示すれば所定の空港ラウンジを利用できます。

空港ラウンジにはソファがあり、ジュース飲み放題です。さすがにアルコールまで提供してくれる空港ラウンジは稀ですが、成田空港など中にはアルコールまで飲めることが可能なゴールドカードの空港ラウンジが存在します。

海外旅行傷害保険がある

ビジネスをする個人事業主や会社経営者であると、海外出張する機会があります。そうしたとき、クレジットカードの海外旅行傷害保険があると安心です。別途旅行保険に入らなくても、法人カードの保険を使えば医療費が高額にならなくて済むからです。

一般カードには海外旅行傷害保険がありません。一方でMUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスであると、高額の海外旅行傷害保険が適応されます。最高5,000万円であり、ケガや病気で入院(受診)したときであっても300万円まで補償されます。

これが自動付帯であるため、カードをもっているだけで補償対象になります。カードを発行すれば海外でも気軽に病院へ行けるようになります。

一般カードには旅行保険がないため、MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスであると外国での万が一に備えることができます。

MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスをうまく活用する

カードのスペックが普通にも関わらず審査基準が非常に高いため、三菱UFJニコスのMUFGカード ビジネスの中でも一般カードに申し込むメリットはありません。

ただ、MUFGカード ゴールドプレステージ ビジネスは同じように審査基準が高いものの、ポイントアップによる還元率が優遇されていたり、空港ラウンジ・海外旅行傷害保険と出張時のサービスがあったりとカードのサービスが優れています。

審査基準が高いため、三菱UFJニコスの法人カードはビジネスでの実績がなければいけません。ただ、これは誰でも保有できるカードではないことを意味しています。

三菱UFJニコスの法人カードを検討する場合、ここまで述べてきたことを理解したうえでMUFGカード ゴールドプレステージ ビジネス(ゴールド法人カード)へ申し込んでみてください。

一般カードゴールドプレステージカード
対象 個人事業主・法人
券面
年会費Visa・Master片方: 1,250円(税別)

Visa・Master両方: 1,500円(税別)

Visa・Master片方: 10,000円(税別)

Visa・Master両方: 12,000円(税別)

追加カードVisa・Master片方: 1,250円(税別)

Visa・Master両方: 1,500円(税別)

Visa・Master片方:2,000円(税別)

Visa・Master両方: 4,000円(税別)

還元率0.5%0.5%
ETCカード年会費無料 (発行手数料:1,000円)無料
ETCカード枚数制限複数枚発行可能複数枚発行可能
限度額40~80万円100~300万円
国際ブランド 
支払い方法一回のみ
海外旅行傷害保険最高5,000万円
国内旅行傷害保険最高5,000万円
ショッピング保険最高300万円
空港ラウンジ

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