ビジネスでカード決済するとき、駐車場の法人カード利用を検討する経営者は多いです。車での移動があるとき、得意先に駐車場があればいいですが必ずあるわけではありません。まさか路上駐車するわけにはいかないため、このときは駐車場を利用します。
ただ、毎回駐車場の料金を立て替えて精算するのは面倒です。また、「カード利用で割引のある法人カードがないのか」探す人は多いです。
それでは、お得に利用できる駐車場のビジネスカードには何があるのでしょうか。ここでは駐車場利用に優れた法人カードに特化して確認していきます。
もくじ
駐車場利用で重要となる三井のリパークとタイムズ
田んぼが広がる田舎であれば、車を止めるスペースをみつけることは容易です。ただ、市街地では路上駐車が難しいため、多くの駐車場が存在します。実際、町中を見渡すと、あらゆる場所に駐車場が点在しています。
このとき、利用する駐車場としては三井のリパークかタイムズが主になります。単純に駐車場の数が多いからです。どちらも駐車場大手であり、駐車場の設置台数は一万を軽く超えます。町中でも、よく見るのはこの二つです。
両者とも法人カードを発行していますが、駐車場の法人契約をするときは注意点があります。法人契約してビジネスカードを発行してもらうとき、どのようなメリットやデメリットがあるのか理解したうえで申し込まなければいけません。
経費処理の簡素化をクレジットカードで実現できる
法人カードを導入する一番のメリットは経費処理の簡素化にあります。経費精算の作業をなくして経理負担を軽減するのです。
駐車場を利用するとなると、数百円の費用になります。法人カードがない場合、経営者や社員が駐車場を利用するたびに細かいお金を立替払いをしなければいけません。
そうなると、精算のために銀行振込などの手間が必要になりますし、無駄な銀行振込手数料が発生します。この数が増えていくと、ビジネスとは無関係な部分で多くの時間を取られてしまいます。
そこで法人カードを利用することにより、利用分の請求をまとめて後払いすることができます。このときは口座振替によって自動の銀行引き落としが可能になり、すべてを自動化することができます。
クレジット機能なしのため特定の駐車場しか利用できない
駐車場の法人契約をするとき、発行されたカードは通常の買い物に利用することができません。一般的なビジネスカードと同じように、携帯電話代の支払いやネットショッピング利用はできないのです。あくまでも駐車場を利用したときだけの支払いになります。
クレジット機能ありの法人カードとしては、法人ガソリンカードが有名です。ガソリンカードという名前ではあっても、クレジット機能があるので給油以外のあらゆる場面でカード決済できます。
ただ、駐車場利用の法人カードにはクレジット機能がないため、駐車場の場面でしか利用できないと考えてください。
また、当然ですが発行会社の駐車場でしか利用できません。三井のリパークであれば、三井のリパークだけでカード決済できます。同じように、タイムズではタイムズ駐車場だけでカード利用が可能です。
クレジット機能ありの一般法人カードの場合、あらゆる場面で利用できるのでどの駐車場であってもカード決済できます。一部の駐車場でクレジットカードを使えないことはあるものの、現在ではほとんどの駐車場でカード決済可能です。
一方でクレジット機能がない駐車場法人カードの場合、三井のリパークやタイムズなど特定の駐車場でしか利用できないことに注意が必要です。
法人契約であるため、個人事業主は申請できない
多くの場合、ビジネスカードは個人事業主やフリーランスであっても申請できます。
ただ、駐車場の法人カードでは法人契約をすることになります。法人である必要があるため、会社組織ではない個人事業主は駐車場のカードを作ることができません。
法人成りした後であれば問題ないものの、個人事業主のうちは保有できないと考えるといいです。
駐車場代の割引は存在しない
最も勘違いしてはいけないものとして、駐車場の割引制度があります。
法人契約をして、特定の駐車場しか利用できないカードを発行するとなると、駐車場代の割引制度があるように思ってしまいます。ただ、残念ながら三井のリパークやタイムズの法人カードで駐車場代の割引はありません。
駐車場を利用したときにキャッシュレスになり、後でまとめて請求が来るなど経費処理の簡素化がメリットだと考えてください。
三井のリパーク:リパークビジネスカード
それでは、実際のビジネスカードのスペックについて比較しながら確認していきます。まずは三井のリパークからです。
三井のリパークが出している法人カードとして、リパークビジネスカードがあります。三井のリパークだけで利用できるカードです。
ただ、残念ながらリパークビジネスカードには発行メリットがありません。駐車場代の割引があるわけではなく、三井のリパークでしか利用できないからです。請求が合算されるのは、クレジット機能ありの通常の法人カードでも同じなので、こちらの方が便利です。
さらに、発行手数料が必要になります。発行手数料は990円であり、それなりの値段が必要になります。割引があるわけでもなく、発行手数料も必要なのでリパークビジネスカードには申し込まないようにしましょう。
・SSカードなども微妙
三井のリパークには他の法人契約が存在し、ガソリンを給油できるSSカードなども存在します。ただ、SSカードも同様に発行手数料が必要にも関わらず、駐車場代やガソリン代が安くなるわけではありません。
利便性が非常に低いため、リパークビジネスカードやSSカードへ申請する意味はありません。
ニッポンレンタカー:NBMカードを利用するべき
ただ、三井のリパークのビジネスカード発行を検討するとき、唯一価値のある法人契約のカードとして、ニッポンレンタカーが発行するNBMカードがあります。
NBMカードはニッポンレンタカーで利用できる法人カードですが、三井のリパークもカード決済できます。実際に利用するとき、駐車場のカード差込口に挿入するだけです。支払いは後でまとめての請求になります。
つまり、リパークビジネスカードと同じ機能をもっているものの、さらにニッポンレンタカーの特典まで得られるようになると考えてください。
NBMカードの場合、発行手数料は一枚につき220円です。つまり、リパークビジネスカードよりも安いです。
それだけでなく、NBMカードでニッポンレンタカーを借りると10~20%引きになるなどの割引があります。駐車場では値段が安くならないものの、レンタカー利用では値引きがあるのです。そのため、三井のリパークの法人カードを作るのではなく、必ずNBMカードの選択にしなければいけません。
・マイルやTポイントをためられる
NBMカードのメリットは他にもあり、それはポイントがたまることです。通常、クレジット機能がない法人カードではポイントがたまりません。ただ、NBMカードではANAマイルやTポイントが付与されるのです。
200円につき1ポイントのため、還元率0.5%と悪くありません。もちろん、たまったポイントは経営者が好きに利用できます。
タイムズ:タイムズビジネスカード
タイムズの法人カードとしては、タイムズビジネスカードがあります。タイムズだけで利用できるビジネスカードです。
タイムズの場合、駐車場だけでなくカーシェアリングやレンタカーなどの事業も行っています。そのため、タイムズビジネスカードを一枚発行すれば、タイムズ内のすべてのサービスがキャッシュレスになります。
先ほどのNBMカードでは、三井のリパークとニッポンレンタカーという別会社のサービスを利用できました。ただ、タイムズでは一つの会社で駐車場からレンタカーまで完結してしまうのです。
駐車場利用では割引がないものの、カーシェアリングやレンタカー利用では非常にお得になります。レンタカー利用の場合、車種によって割引率が異なります。
参考までに、カーシェアリング用のカードを提示すれば、レンタカー利用が20%引き、ウェブ予約でさらに25%引きになります。レンタカー利用での値引き率が非常に高いカードがタイムズビジネスカードです。
・カーシェアリングの利用
タイムズビジネスカードの特徴として、先ほどから述べているカーシェアリングサービスがあります。
24時間や数日の利用など、長期間の利用に向いているのがレンタカーです。一方で30分だけ利用したいなど、短時間の利用に適したものがカーシェアリングです。カーシェアリングの場合、給油も必要ありません。
15分206円から利用でき、タイムズビジネスカードがあればキャッシュレスになって後で請求されるようになります。
・カード利用料はデメリットが多い
ただ、タイムズビジネスカードは手数料の面でデメリットが多いです。まず、カード発行手数料は一枚ごとに660円が必要です。
また、駐車場やレンタカーなどすべてで利用できるタイムズの法人カードの場合、銀行振込での対応になります。NBMカードのように、口座振替などによる自動引き落としには対応していません。
そのため銀行振込という無駄な経費処理が発生し、銀行振込手数料も必要になります。手数料が必要になる場面が多く、これについては大きなデメリットだといえます。
レンタカー利用が少ない場合、通常のビジネスカードを利用する
ビジネスで駐車場利用だけでなくレンタカー利用が多い場合、三井のリパークやタイムズで利用できる法人カードを活用するといいです。NBMカードはニッポンレンタカーの割引がありますし、タイムズビジネスカードもタイムズでのレンタカー代が安くなります。
ただ、そうしたレンタカー利用がない場合、駐車場会社と法人契約して新たにカードを作る意味はありません。カード利用によるポイントが少ない(または付かない)というデメリットがありますし、特定の駐車場でしか利用できません。
ビジネスで外回りをするとき、特定の駐車場利用だけを考えることはしません。目的地から最も近い駐車場を利用するのが普通です。そうしたとき、どの駐車場でもカード決済できるビジネスカードを選んだ方がいいです。
駐車場であれば、多くのケースでクレジットカード決済が可能です。例えば、以下はタイムズの料金精算機ですが、ここでは駐車券やタイムズビジネスカード以外にも、クレジットカードを挿入できるようになっています。
法人カード決済が可能であるため、レンタカー利用がない場合はクレジット機能ありの法人カードを利用しましょう。
・トヨタレンタカー:TRBMカードを利用しても問題ない
または、レンタカー利用がある人では、トヨタレンタカーが発行するTRBMカードを使うといいです。
TRBMカードは年会費や発行手数料が無料であり、トヨタレンタカーで10~20%の割引やその他の特典があります。レンタカーではTRBMカードを利用し、駐車場ではクレジット機能ありの法人カードを利用するようにするのです。
「レンタカー利用では、トヨタレンタカーを利用して割引特典を受ける」「駐車場利用では、カード決済できる普通の法人カードを利用し、ポイントまでためる」という選択が最も効果的です。
それでは、駐車場利用に限らず買い物であってもカード決済できるビジネスカードとしては、どのようなカードがあるのでしょうか。これについて確認していきます。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
ステータス性の高い法人プラチナカードとして、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードがあります。
年会費22,000円であり、プラチナ法人カードの中では年会費が安くなっています。
ただ、プラチナカードなので「プライオリティ・パス(グレードの高い空港ラウンジを利用できる)」「高額な海外旅行傷害保険が自動付帯」「コンシェルジュサービスがある」など、プラチナカードならではのサービスを受け取ることができます。
さらに、ポイント還元率は1.125%です。JALマイルの還元率が優れており、マイル還元率1.125%と非常に高いポイント付与があります。
なお、プラチナ法人カードではあっても、登記簿謄本の提出が不要など、非常に審査が甘いです。プラチナ法人カードでは珍しく、ビジネス初心者の個人事業主や創業直後の法人であっても申請できます。