クレジットカードを使うとき、マイルをためる個人事業主(フリーランス)や会社経営者は多いです。私もマイルをためている一人です。
マイル価値は非常に高く、「1マイル=2~3円」になります。そのため、多くの経営者が航空会社の発行するマイルをためて航空券に変えるようにしているのです。
日本であれば、主な航空会社はANA(全日空)とJAL(日本航空)です。ただ、航空会社はこれだけではありません。ANAやJAL以外にも、全世界には多くの航空会社が存在します。これらの会社のマイルを含めてためることはできないのでしょうか。
ここでは、法人カードを活用してどのようにしてマイルをためればいいのかについて解説していきます。
もくじ
スターアライアンスとワンワールドの航空会社
現在、国際的な航空会社のグループ(航空連合)としては3つあります。それが、スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームです。
日本ではANA(全日空)がスターアライアンスに加盟しており、JAL(日本航空)がワンワールドになります。そのため、スターアライアンスとワンワールドが有名です。そしてここに、スカイチームが加わって3つの航空連合となるのです。
一つの会社だけで全世界の路線を網羅するのは現実的ではありません。そこで、コードシェア便(共同運航便)やマイル(マイレージサービス)の相互乗り換えなどを自由に行えるようにするために航空連合が存在します。
それぞれの航空会社の中でも、主な加入会社としては以下のようなものがあります。
【スターアライアンス】
- ANA(全日空)
- ユナイテッド航空
- タイ国際航空
- シンガポール航空
【ワンワールド】
- JAL(日本航空)
- アメリカン航空
- キャセイパシフィック航空
- カタール航空
- ブリティッシュ・エアウェイズ
【スカイチーム】
- デルタ航空
- エールフランス
主な航空会社を記しましたが、それぞれの会社ごとに独自のポイントとしてマイルを発行しています。マイルの代表がANAマイルやJALマイルです。
当然、ANAマイルをためた場合はANA(全日空)の航空券に交換できます。ANAマイルでJALのサービスは利用できません。また、同じスターアライアンスに加盟しているとはいっても、ANAマイルでユナイテッド航空の航空券に変えることはできません。
基本的にマイルをためたら、その航空会社のサービスのみ利用できると考えてください。もちろん、いろいろ頑張れば「ANAマイル → ユナイテッド航空のマイル」などに交換できますが、手数料がたくさんかかって意味ないのでやめた方が無難です。
ユナイテッド航空、デルタ航空のマイルもためられる
日本国内に住んでいる人の場合、基本はANAマイルやJALマイルをためることになります。実際、私がメインでためているのはANAマイルとJALマイルです。日本に住んでいる以上、これらの航空会社を利用する機会が圧倒的に多いからです。
ただ、中には他の航空会社のマイルを貯めたいと考える人もいます。例えば、アメリカに本拠地のある航空会社として、ユナイテッド航空やデルタ航空などがあります。
アメリカに行く機会の多い人であれば、別にANAやJALのマイルにこだわる必要がありません。また、アメリカからは中南米にもフライトが飛んでいるため、そうした国に行く機会のある人であれば、ユナイテッド航空やデルタ航空のマイルをためても問題ありません。
また、ヨーロッパへ行くのが好きな人であれば、エールフランス航空などヨーロッパ方面に行ける航空会社のマイルを選ぶこともできます。
ANAマイルやJALマイル以外にも興味がある場合、そちらを考えてみるようにしてみてください。
マイルをためる会社は集中させるべき
なお、マイルをためている人なら分かると思いますが、貯めたいマイルの航空会社は必ず集中させるようにしましょう。私の場合、それがANAマイルとJALマイルだったわけです。私は特定の国ばかり行くわけではなく、全世界を幅広く出張します。そのため、日本を拠点にしている航空会社が使いやすかったわけです。
それが人によっては、「ANA(全日空)とユナイテッド航空をメインで利用する」などと違いがあるため、そうしたときにANAやJAL以外の航空会社のマイルをためることを考えるといいです。
なぜ、集中させた方がいいのかというと、マイルを航空券に変えるためにはそれなりに大きなポイント数が必要になるからです。例えば、以下はANAが出したキャンペーンですが、キャンペーン適応させてもこれだけのポイント数が必要になります。
通常マイル(往復) | キャンペーン適用(往復) | |
成田⇔プノンペン | 35,000 | 28,000 |
成田⇔クアラルンプール | 35,000 | 28,000 |
成田⇔ジャカルタ | 35,000 | 28,000 |
成田⇔ムンバイ | 35,000 | 28,000 |
成田⇔北京 | 20,000 | 16,000 |
成田・羽田⇔広州 | 20,000 | 16,000 |
もちろん、マイルは航空券以外にも商品に交換できます。ただ、マイルを商品に変えてもあまり意味はありません。航空券に変えることで「1マイル=2~3円」になるため、多くの人がマイルをためるようにしているのです。
ANAやJAL以外のマイルをためることを検討している場合、どの航空会社のマイルが適切なのか考えるようにしましょう。どれだけ多くても、マイルをためる会社は2社までに絞るといいです。
マイル還元率の高いビジネスカードを選ぶ
法人カードを利用してマイルをためるとき、どのようにするかというとショッピングマイルとして貯めるのが基本です。つまり、ビジネスカードで事務用品や交際接待費、広告費などを決済することで付くポイントをマイルでためるのです。
このとき、できるだけ還元率の優れたビジネスカードをもつようにしましょう。ビジネスカードでは、標準的な還元率は0.5%です。ただ、中にはマイル還元率1%以上の法人カードも存在します。こうした法人カードを利用しなければいけません。
法人カードの場合、決済額が大きくなりやすいです。私は起業した直後であっても、月20万円ほどのカード決済がありました。現在では、月100万円以上のビジネスカード決済があるのは普通です。
このとき、わずかな還元率が大きな違いを生むことになります。例えば、月25万円のカード決済をする場合、還元率0.5%だと以下のマイルがたまります。
- 月25万円 × 0.5% × 12ヵ月(1年) = 15,000マイル
還元率0.5%が還元率1%と二倍になれば、たまるポイントは30,000マイルとなります。15,000マイルあれば、「羽田⇔那覇」の往復航空券を獲得したとしてもマイルにおつりがきます。それだけの違いがあるため、ビジネスカードを選ぶとき、ポイント還元率の高さは非常に重要になります。
特に理由がない限り、マイルをためるときは還元率1%以上のビジネスカードを選ぶようにするといいです。
一つのクレジットカードカードから多くの航空会社のマイルへ移行可能
法人カードを使って決済した後、どのような航空会社のマイルに交換できるのかについては、ビジネスカードごとに異なります。
ANAマイルのみ交換できる法人カードがあれば、JALマイルだけ移行可能なビジネスカードもあります。ANAやJALに限らず、スターアライアンスやワンワールド、スカイチームを含め複数の航空会社のマイルへ移行できるビジネスカードもあります。
例えば、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは空港サービスに優れていることで有名ですが、同時に以下のような多くの航空会社のマイルをためることができます。
- ANA:ANAマイレージクラブ
- タイ国際航空:ロイヤルオーキッドプラス
- シンガポール航空:クリスフライヤー
- キャセイパシフィック航空:アジア・マイル
- ブリティッシュ・エアウェイズ:エグゼクティブ・クラブ
- カタール航空:プリビレッジクラブ
- デルタ航空:スカイマイル
- エールフランス/KLM航空:フライングブルー
- ヴァージン アトランティック航空:フライングクラブ
- チャイナエアライン:ダイナスティ・フライヤー・プログラム
- スカンジナビア航空:SAS ユーロボーナス
- アリタリア-イタリア航空:クラブ・ミッレミリア
- フィンランド航空:フィンエアー・プラス
- エティハド航空:エティハド ゲスト
- エミレーツ航空:エミレーツ・スカイワーズ
ANAマイルだけでなく、デルタ航空など他の航空会社のマイルをためることが可能です。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードで決済したポイントのうち、75%をANAマイルに変えて、残り25%をデルタ航空のマイルに変えることもできます。
ただ、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードはJALマイルをためることはできません。アメックスのゴールド法人カードはそのような仕様になっているわけです。カード会社ごとにスペックが異なると考えてください。
なお、海外の航空会社であったとしても日本語で公式サイトにログインできるケースがほとんどです。当然ながら、マイル交換の手続きも日本語で可能です。特にユナイテッド航空やデルタ航空などのような大会社になると、必ず日本語サイトがあります。そのため、そこまで心配する必要はありません。
マイルをためるときに適した法人カード比較
それでは、どのようなビジネスカードがマイルを貯めるのに適しているのでしょうか。
一般的には、ANAマイルやJALマイルを貯めるのが普通です。実際、私がメインで貯めているのはANAとJALのマイルです。私の場合は全世界へ幅広く海外出張するため、日本を拠点にしている航空会社のマイルが使いやすいからです。
ただ、「アメリカ出張が多い」「香港に行く機会が多い」「シンガポールを毎月のように行き来している」などの場合、マイルを日本の航空会社に絞る必要はありません。外国に拠点を置く、他の航空会社のマイルをためても問題ないのです。
こうしたことを含め、スターアライアンスやワンワールド、スカイチームを含めてどのような法人カードで航空会社のマイルを貯めることができるのかを確認していきます。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
マイルをためることを考えるとき、最初に考えるべき法人カードがセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードです。
このビジネスカードが優れているのは、ポイント還元率の高さです。JALマイル還元率が1.125%となっており、あらゆるビジネスカードの中でも最高クラスのマイル還元率を誇るからです。
プラチナ法人カードですが、年会費22,000円とプラチナカードの中では非常に低いです。
もちろん空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パスは付きますし、海外旅行傷害保険の補償も高額です。プラチナ法人カードというスペックであり、年会費がわりと安く、JALマイル還元率に優れた法人カードがセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
ハイステータスなクレジットカードとして、アメックスが知られています。このゴールド法人カードがアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードも高還元率の法人カードであり、ANAマイル還元率が1%となります。
また、先に示した通り、ANA以外の航空会社のマイルにも交換することができます。デルタ航空やシンガポール航空などのマイルをためることができるのです。
ただ、ANAマイル還元率は1%であるものの、デルタ航空などANA以外の航空会社のマイルをためる場合は還元率0.8%になることに注意が必要です。しかし、一般的なビジネスカードの還元率が0.5%であることを考えると、還元率0.8%であっても優れています。また、JALマイルには対応していません。
年会費36,300円(当サイトからの申し込みで年会費無料)ですが、空港までスーツケースを無料で送れたり、海外旅行傷害保険に家族特約(家族まで含めて自動付帯)だったり、非常に優れた特典のある法人カードです。
ダイナースクラブビジネスカード
非常に審査が厳しいものの、ステータス性の高い法人カードとしてダイナースクラブビジネスカードがあります。ゴールドカードとしてのスペックをもつ法人カードです。
ダイナースクラブビジネスカードの還元率は1%です。ANAマイルだけでなく、ユナイテッド航空やデルタ航空、大韓航空、アリタリア-イタリア航空であっても還元率1%となります。
マイル交換するとき、年間6,600円の「ダイナースグローバルマイレージ」に加入しなければいけないため、できるだけたくさんポイントを貯めた後、一年だけ加入してすぐに脱退するのを繰り返すといいです。なお、JALマイルには対応していないです。
法人カードの中でも、ユナイテッド航空のマイルをためることのできるカードはダイナースクラブビジネスカードくらいです。ユナイテッド航空のマイルをためたいとき、ダイナースクラブビジネスカードを検討しましょう。