クレジットカードを使うとき、使った分だけポイントがたまります。このときのポイントをマイルでためる人は多いです。

マイルといえば、ANAマイルとJALマイルの二種類があります。基本的にはどちらか一方のマイルを積極的にためるのが基本です。

このときJALマイル(日本航空のマイル)をためようと考えた場合、どのような法人カードを活用するのが適切なのでしょうか。実は、必ずしもJAL法人カード(CLUB-Aカード:JALが発行している法人カード)が適切なわけではありません。

そこで、どのような法人カードであれば効率よくJALマイルをためられるのか確認していきます。

JAL法人カードのCLUB-Aカードの特徴

まず、JALマイルをためるときに考えることとして、「JALが発行している法人カードには何があるのか」というものがあります。

普通に考えると、JAL(日本航空)という本家本元が発行しているビジネスカードによって最も効率よくJALマイルがたまりそうな気がするからです。

JAL法人カードにはCLUB-Aカードというビジネスカードが存在します。JAL法人カードには一般カードが存在しますし、一般法人カードは年会費2,200円で安いです。ただ、スペックの関係で一般カードに申し込む人はいません。そうではなく、年会費11,000円のCLUB-Aカードに申し込みます。

フライトボーナスがたまるCLUB-Aカード

それでは、JAL法人カードのCLUB-Aカードにはどのような特徴があるのでしょうか。CLUB-Aカードをもてば、フライトボーナスがたまります。

つまり、国内線でも国際線でもいいので、JAL航空券を購入してフライトすることで、ボーナスとしてマイルが25%上乗せで付与されるのです。

例えば、「東京-那覇(沖縄)」の早割(特便割引)で搭乗した場合、往復で約1,500マイルたまります。さらに、付与されたマイルのうち25%(約375マイル)がボーナスで加算されるようになるのです。

飛行機の利用が多く、JAL便で何度もフライトする予定のある個人事業主や会社経営者であれば、CLUB-Aカードをもつことでフライトボーナスによって効率的にJALマイルをためることができます。

また、フライト時だけでなく入会後に初搭乗するとボーナスマイルが付与されたり、毎年カード年会費支払い後の初搭乗にもマイル付与があったりします。JALカードの中でも、一般カードとCLUB-Aカードを比較すると以下のようになります。

JAL一般法人カードCLUB-Aカード
年会費2,200円11,000円
入会搭乗ボーナス1,000マイル5,000マイル
毎年初回搭乗ボーナス1,000マイル2,000マイル
搭乗ごとのボーナスフライトマイルの10%プラスフライトマイルの25%プラス

こうしたことから、JAL法人カードを活用してJAL便に乗る機会が多い人の場合、CLUB-Aカードを保有を検討することが有効です。

JAL(日本航空)の法人用クレジットカードは還元率ゼロ

ただ、実際のところ保有メリットはどうかというと、残念ながらCLUB-Aカードを含めJAL法人カードを保有するメリットはほとんどありません。これは、JAL便を利用してフライトボーナスを求めて利用する人も同様です。

なぜ、そのようにいえるのかというと、JAL法人カードはショッピングマイル(通常の買い物をすることでマイルをためること)がつかないからです。つまり、ポイント還元率がゼロです。

マイルをためるとき、どのようにしてためるのが一般的なのかというと、それはショッピングマイルによるものがメインとなります。

ビジネスをすると、広告費や仕入れなどによって多くの経費を使うことになります。接待するときも法人カードで決済します。こうしたとき、カード利用に応じてポイントがつくのです。例えば還元率1%の法人カードを利用すると、100円を決済すれば1マイルたまります。

飛行機を頻繁に利用する人であっても、マイルをためるときはショッピングがメインになります。飛行機利用で加算されるマイルと比較して、ショッピングマイルの方が大きくなるのが普通です。

ボーナスマイル25%はあまり意味がない

それでも、「フライト時にボーナスマイル25%が付与されるため、JAL飛行機に乗る頻度の多い人は意味があるのでは」と考えてしまいます。ただ、冷静に考えるとこれもほとんど意味がないことに気が付きます。

先ほど、東京-那覇(沖縄)でのフライトボーナスが約375マイルになると解説しました。このとき、早割で東京-那覇(沖縄)の航空券を取得すると、早割を活用しても往復で35,000~40,000円が必要になります。

仮に東京-那覇(沖縄)の航空券を35,000円で取得した場合、JALマイル還元率1%の法人カードで活用すれば、ショッピングマイルとして350マイルが付与されます。つまり、25%のフライトボーナスとほぼ同額が付与されるようになります。

CLUB-Aカードをもつためには年会費11,000円が必要になります。ショッピングマイルが付かないため、CLUB-Aカードを通常の買い物で利用する価値はありません。

それに対して、ショッピングマイルが付くビジネスカードを保有していれば、新たにJAL法人カード(CLUB-Aカード)をもつ必要がなくなり、無駄にJAL法人カードの年会費を払わなくて済みます。

日本航空でのフライトボーナスがあると魅力的に考えてしまいますが、実はあまり得をすることはありません。そうではなく、最初からJALマイル還元率1%以上の法人カードを利用すればいいのです。

追加カードでのボーナスマイルは経営者に集約されない

また、法人カードを作るとなると、追加カード(追加の法人カード)を作る機会があります。このとき、他の役員や従業員が搭乗したマイルは「実際に搭乗した人に付与される」というルールがあります。

つまり、航空券を購入した会社にマイルが付くのではなく、飛行機に乗った社員にマイルが付きます。

会社のお金で飛行機に乗っているため、経営者からしてみれば他の役員や社員個人にマイルが付与されるのは納得いきません。ただ、ANAマイルでもJALマイルでも、マイルはそのようなルールになっているのでこれについては諦めるしかありません。

要は、フライトボーナス25%が付くとはいっても、追加カードを発行しても社員が出張して搭乗した場合、フライトボーナスは社長(あなた)に付与されないことはないのです。

・ショッピングマイルであれば、マイルを経営者に集約できる

それに対して、ショッピングマイルではどうかというとたまったマイルを経営者個人に集約させることができます。つまり、追加カードを発行して役員や社員がカード決済した場合、ポイント付与されるマイルはすべて経営者のものになります。

個人事業主や会社経営者を含め、マイルは個人で自由に使うことができます。非課税のお金と同じであるため、たまったマイルは家族旅行など「経費で落とせないもの」に使うのが一般的です。

飛行機での出張が多い人であっても、結局のところショッピングマイルによってJALマイルをためるのが普通です。ここまで述べてきたことからわかる通り、フライトボーナスではなく「どれだけショッピングマイルをためられる法人カードを利用すればいいのか」を考えなければいけません。

CLUB-Aカードは審査基準が厳しい

また、JAL法人カードで致命的なのは審査が非常に厳しいことです。メリットの少ないCLUB-Aカードですが、そもそも審査に通過しないのです。

JAL法人カードでは「原則として日本国内に所在し、業歴5年以上で黒字決算の法人(団体・個人事業主を含む)」という審査基準があります。つまり、5年以上ビジネスをしており、さらにはすべて黒字決算である必要があります。

現実的に考えて、ビジネスで5年連続黒字の個人事業主や法人は非常に少ないです。

ビジネスカードでは、「3年以上、ビジネスを継続している」「黒字決算2期以上」が一般的な基準です。それよりもはるかに厳しい基準を設けているため、申し込んだとしても法人カードの審査で落とされてしまいます。

しかも、JAL法人カードはネット申し込みを受け付けていません。必ず電話での申し込みになります。

いまの時代、ネット申請が普通です。ネット申請であれば24時間365日どこでも申し込むことができますし、ネット上から情報を記入すれば、申請用紙がほぼ完成した状態で送られてきます。

そうした制度がなく、非常に煩雑な作業が要求されるというのもデメリットの一つです。

アメックスやダイナースのJAL法人カードは存在しない

それでは、JALが直接発行しているJAL法人カードがダメなのであり、JALカードの中でもアメックスやダイナースなどと提携しているJAL法人カードを活用すればいいのではと考える人は多いです。

個人クレジットカードであれば、JALアメリカン・エキスプレス・カードやJALダイナースカードなどが存在します。こうしたクレジットカードは「フライトボーナスが付くだけでなく、ショッピングマイルも付与される(ポイント還元率が存在する)」という特徴があります。

しかし、残念ながら法人カードでJALアメリカン・エキスプレス・カードやJALダイナースカードは存在しません。JAL法人カード(CLUB-Aカード)ではVisa、Mastercardから選べるものの、アメックスやダイナースは作れないのです。

ショッピングマイルがたまるビジネスカードを選択する

ここまで述べてきた通り、残念ながらJAL法人カード(CLUB-Aカード)に申し込むメリットはありません。無駄に年会費がかかり、ショッピングマイルがたまらず、追加カードのフライトボーナスを経営者に集約できないなどデメリットしかないのです。

JALマイルをためることを考えたとき、多くの人はJAL法人カードを探します。ただ、実際のところメリットがほとんどないため、ショッピングマイルがたまる他の法人カードを選択するのが適切です。

それでは、JALマイルを効率的にためることを考えたとき、どのビジネスカードを申し込むのが適切なのでしょうか。以下では、どの法人カードを選択すればいいのかについて確認していきます。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

本気でJALマイルをためたいとき、個人事業主や法人経営者が考えるべき法人カードとしてセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードがあります。

理由は単純であり、ショッピングマイルが非常に効率よくたまるからです。JALマイル還元率は1.125%です。法人カードの中では、最もJALマイル還元率の高いカードです。

なお年会費22,000円であり、プラチナカードとしては非常に安い年会費となっています。プラチナカードなので利用限度額が非常に高く、プライオリティ・パス(空港ラウンジの利用)がつき、コンシェルジュサービスを利用でき、海外旅行傷害保険などの保険付帯も手厚いです。

単にJALマイル還元率に優れているだけでなく、プラチナカードであることから他の付帯サービスも充実しているという大きなメリットがあります。

・JALマイル還元率1.125%になるカラクリ

それでは、なぜセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードでJALマイル還元率が1.125%になるのでしょうか。

まず、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードでは1000円利用するごとに10マイルたまります。

その他にも、2,000円の利用によってボーナスで1永久不滅ポイントがたまる仕組みになっています。このときボーナス付与される1永久不滅ポイントについては、2.5JALマイル(1,000円利用で換算すると、1.25JALマイル)に変換することができます。

つまり、1000円利用することで以下のJALマイルが加算されるようになります。

  • 10JALマイル(1,000円の買い物で付与される通常のポイント)
  • 1.25JALマイル(1,000円利用換算で付与されるボーナスポイント)

合計11.25JALマイルですが、1,000円の利用で11.25JALマイルなので還元率1.125%です。

個人クレジットカードのJALカードであってもJALマイル還元率1%です。本家のクレジットカードを上回る優れた還元率を実現できるのがセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードなのです。

・出張時に威力を発揮するプラチナカード

さらに、前述の通りセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードはステータス性の高いプラチナカードです。そのため、付帯されるサービスが非常に優れており、プライオリティ・パスがついたり、海外旅行傷害保険での補償が高額だったりします。

飛行機を利用するとき、重要なものにプライオリティ・パスがあります。これは、成田空港や関西国際空港を含め海外の主要空港で空港ラウンジを活用できるカードになります。

ゴールドカード以上であれば、国内空港にあるカードラウンジを活用できます。セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードでも当然ながら、プラチナカードなのでカードラウンジを利用可能です。

ただ、国際空港ではより上位の空港ラウンジがあり、ここではアルコールが飲み放題だったり、食事が提供されていたりします。プライオリティ・パスがあれば、以下のようなラウンジへ無料で入れます。

プライオリティ・パス自体は本来年間429ドル(約43,000円)が必要なので、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの年会費を考えると非常にコストパフォーマンスが良いです。

さらに、海外旅行傷害保険が自動付帯であるため、カードをもっているだけで自動的に旅行保険が適応されます。このときはキャッシュレス受診(キャッシュレス診療)になり、現地のお金をもっていなくても受診できます。

ケガや病気のとき、カード会社に連絡して日本語対応の病院を予約してもらい、後はタクシーなどで病院まで行くだけです。高額な医療費を請求されないどころか、お金の支払いなしに病院を受診できてしまうのです。

・審査基準は高くなく、どれでも申し込み可能

ただ、プラチナカードとなると審査基準が高いのではと考えてしまいがちです。実際、ほかの法人カードは審査が厳しいです。

しかし、プラチナ法人カードの中で唯一セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは審査が厳しくありません。ビジネスを開始した直後の個人事業主であったり、設立一年未満の法人であったりしても審査に通過します。

ビジネスカードとして法人口座を指定できるセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードですが、実は少し特殊であり、普通のサラリーマンであっても申請できるという特徴があります。

そのため、カード審査のときに登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出が必要ありません。普通、法人カードの申請では登記簿謄本の提出が必須です。ただ、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードでは登記簿謄本や印鑑証明書の提出が不要なのです。

必要書類に登記簿謄本(履歴事項全部証明書)がないため、カード会社側(クレディセゾン側)は「この会社は何年運営されているのか」を把握できません。当然、決算書の提出も不要なので正確な売上額もわかりません。

こうしたことがあり、さらには単なるサラリーマンであっても審査に通過することから、ビジネスをこれから始める段階の個人事業主であったり、創業直後の会社であったりしても審査に落とされることなくプラチナ法人カードを手にすることができるのです。

・高還元率の法人カードでJALマイルをためる

個人でも申請できるクレジットカードですが、ビジネスをしている個人事業主や法人経営者であるとよりカード決済額が大きくなります。そうしたとき、還元率の高い法人カードを活用してショッピングマイルをためるのが基本です。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードはプラチナカードであり、飛行機利用のときは他のサービスも優れています。

JALマイルを法人カードでためるとき、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード一択で問題ありません。

おすすめの法人カードランキング

法人カードランキング